2007年4月のアーカイブ
スカイブレイク
一番だまし易いのは、観察者ではない。
2つ目がありながら、
同時に2つの対象物が認識できない目と脳の機能である。
例えば、一つの4面体を観察する場合、通常観察者は外部にいるしかない。
なぜなら、内部にいる場合、
同時に4面体のすべての頂点を捉える視野角さえももたない。
これは4面体と観察者との相対的な大きさの問題ではない。
ゆえに、4面体の内部と外部は同時に認識できない。
このことは、
ジオデシック・シェルターを組み立てる場合に顕著になる。
外部にいるアセンブラーは、内部の構造のパターンと互いに鏡像になるので、
完成したシェルターから見る自分を覆う総三角形のスカイブレイクに驚くだけではなく、
同時に一つの視野角で把握できない内部の構造パターンが
空間を心理的により大きく感じさせるのである。
閉じた球状パターンでは、内部の空間イメージは外部から想像する内部の空間イメージと
けっして合致することがないという人間の認識の限界に最初に気づいたのは、
アーティスト・サイエンティストである。
オスマン帝国が教会建築を取り入れ、球状空間によって
柱のない広大な礼拝堂空間をもつ建築様式を生み出した理由でもある。 Y.K
- 2007年4月30日 8:03 AM
- シナジェティクス講座
全方向の対話革命
トポロジー
バイオロジー
ジオロジー
そして
エコロジー
に共通な<logy>は科学や学問を表す接尾語である。
そして科学は対話である。
対話は、話すことであり聞くことである。
口学問だけではなく耳学問でもある。
読むことや書くことは、その次だ。
だから、科学の学習の最初は読書ではない。
シナジェティクス講座はもちろんテレビ電話(ichat)による
同時的対話から始まる。
シナジェティクスは、口学問だけではなく耳学問だけではない、
手学問(modeling)でもある。
21世紀の教育革命とは、全方向の対話革命である。
対話にキャンパスや建物、そして通学は不要だ。 Y.K
- 2007年4月29日 8:06 AM
- シナジェティクス講座
『クリティカル・パス』ーーー宇宙船地球号のデザインサイエンス革命
新たなブックデザインの第1版が白揚社から今月出版される。
既に最初の刷り見本が手元に届いている。
http://www.hakuyo-sha.co.jp/
クリティカル・パスの定義は、
1980年代後半のアメリカの緊急医療テクノロジーによって、
「アローダイアグラムで表した作業工程にいくつかの分岐がある場合、最短時間ですべての工程を終了できる経路」として理解されてきた。
しかし、アローダイアグラムは直線的である。
デザインサイエンス革命に必要なクリティカル・フィードバック回路は、たいてい3次曲線である。
この螺旋こそ、プロジェクト全体にかかる時間・エネルギー・資源の軽減化につながる十分な情報を与える。
ウォー・ゲームのような殺戮のための最適化(optimize)戦略からは、この回路は生まれなかった。
1981年にバックミンスター・フラーが出版した『クリティカル・パス』の独創的な定義には、
動力学的なシナジェティクスモデルが前提にあった。
動力学的なシナジェティクスモデルとは何か。
シナジェティクスの革命性的モデルは、『コズモグラフィー』でバックミンスター・フラー自らが解説する。
Y.K
- 2007年4月22日 8:35 AM
- クリティカル・パス
テンセグリティ
フラーレンはダイヤモンドの表面を傷つけるほどの強度を持っている。
しかし、それはけっしてダイヤモンドよりは堅いことを意味しない。
圧縮と張力に注目しなければ、この分子的世界像を記述できないにちがいない。
圧縮と張力という相補的な概念を理解するには、もはやシナジェティクス・モデル以外には存在しない。
テンセグリティモデルは、多頂点体(polyvertexia)の一般化である。 Y.K
- 2007年4月20日 8:28 AM
- テンセグリティ ワークショップ
多頂点体(polyvertexia)
科学史上最初のモデルは、炭素の4面体モデルであった。
次に科学史上最も短いノーベル賞論文は、遺伝子の2重螺旋モデルであった。
そして、20世紀の終わりに3番目の炭素の結合モデルの発見によって、
物理学の概念は大きく揺れ動いた。
実際、フラーレンの発見では、面数が観察されたのではなかった。
発見者たちは、観察された情報を新しい概念で再構築したのだ。
頂点という出来事の数(=分子数)を新しいモデル言語で統合したのだ。
シナジェティクスは、フラーレンが発見される前から、多面体という固体的概念から
多頂点体(polyvertexia)の概念を発見して、様々な数学的発見を蓄積していた。
バックミンスター・フラーレンという長い学名には
シナジェティクスへの敬意が顕れている。 Y.K
- 8:24 AM
- シナジェティクス講座
デザインサイエンス
科学的デザインもデザイン的科学も
デザインサイエンスではない。
デザインサイエンスと
デザイン/サイエンスの間には
雲泥の差がある。
「機能美」と「冗長美」は、デザイン/サイエンスで論じられる
いつものデザイナーの思い上がった目的論である。
彼らの存在意義は、人類の生成する美と繋がるしかない。
個人がテンセグリティ・モデルを制作する意義は、ここにあるだろう。
テンセグリティは、圧縮力と張力という完全に分離可能で非鏡像的な相補性に基づいて
選択された最適な(optimum)あるいは最高度の要素の集合である。
その集合した物資的な統合状態の結果を美しいと感じることは異なった問題である。
数学や科学的手法に依存したからすべて自動的に最適で望ましい状態が
デザインできると考えるのは楽天主義(optimism)である。
最適化には、つねに最終的な観察者の選択(option)の問題が残されている。
実際、この半世紀の間、テンセグリティ圧縮材と張力材の最良の組み合わせは変化し続けている。
自然においては、すべてのテクノロジーは最適化されている。
引力は、宇宙が断面積をゼロに最適化した最高度の張力材である。
その結果、人類には不可視の存在となった。
人間は最適化されたテクノロジーを創り出せない。
これまで以上に最適化を推し進める普遍的な原理を発見するだけである。
(原理を発見するための最適化された思考法は未だ発見されていないことに注目しなければならない。)
しかし一方で、原理と無関係な無数の「最適化」は、つねに流行(=形態form)を作りだしてきた。
すべての計画的陳腐化にはこの「最適化」が利用される。あるいは、価格の最適化としてのオークションに熱中する「楽天」主義者(optimist)である。
戦争は、資本主義における最大の「最適化」である。
バックミンスター・フラーのデザインサイエンスは、永遠のアンチ・ウォーゲームである。
数学や科学的手法に依存しなくても、直観的に理解可能な目的論(=インテグリティ)である。 Y.K
- 2007年4月16日 6:42 PM
- デザインサイエンス(バックミンスター・フラー)
テンセグリティ構造とアンチ・リダンダンシー
リダンダンシー(Redundancy 冗長性)は、語源的に波立ち、あふれでて、流れ帰る状態を意味する。
遊びや余裕、余地を意味し、遂に人間が建造物や機械類・システムの設計において、
緊急事態に備えて付加するモノを意味するようになった。
地震などの緊急事態以外では、過剰なモノでもあるが、
システムの構成要素の一部が故障してもシステムとしての機能がまっとうできるように
余分な構成要素を完全に省略できるデザインはないという前提を支持してきたのは、
われわれの生命の安全を保障するためである。
ところがこの概念では、テンセグリティ構造を説明できない。
過剰なモノはすべて排除した構造でありながら、テンセグリティ構造は、
振動数というきわめて純粋な原理に基づいてデザインされた
真のニューマティック構造である。
これまでのテンセグリティ構造の発見によって、設計者が定義するリダンダンシーは、
計画的陳腐化を擁護する疑似科学理論となった。
ビジネスでは、余計なコストの集積を合法化するための巣窟となった。
なぜなら、航空機産業以外で定義されるリダンダンシーは、
専門家を利用した生命の安全を保障する記号的な疑似テクノロジーで、
隠れた余剰生産を専門家集団に提供できるからである。
リダンダンシーを否定する構造システムと対立しているのは、
もはや古い構造理論ではなく、われわれの暗黒時代から継承されている
輪郭が不明瞭な社会システムそのものである。
テンセグリティ構造は、<でたらめさ>と<冗長度(リダンダンシー)>をあらかじめ未然に回避できる唯一の理論である RBF『コズモグラフィー』(2007年6月近刊)
自然は、 do more with lessによってアンチ・リダンダンシーを選択している。
それこそが、自然に内在する先験的デザインなのである。
自然の冗長美は、われわれの無知から、波立ちあふれでて流れ帰る状態に見えているだけである。 Y.K
- 12:10 PM
- テンセグリティ ワークショップ
自由への構造
シナジェティクス入門講座はすでに3月のオリエンテーションに始まり、
いよいよ6ヶ月の間、『コズモグラフィー』(6月刊行予定)をテキストにしたモデル言語を習得する。
かなり実験的な講座(教育法だけではなく、プログラム概要や参加費なども意図的に公開しなかった)であるが、定員を超えた講座生が参加することになった。
ブログは私の講座プログラムの重要な唯一の公開情報であり、
言い換えれば、ブログ以上の情報はなかったにもかかわらず、
結果的に強い興味から私に直接参加宣言した人ばかりという特徴がある。
know-whyに忠実に反応するための、最初の重要なプリセッションがあったと感じる。
プリセッションは明らかに情報量に比例しない。
シナジェティクス入門講座の開講後も、しばしば問い合わせがあるが、
今後シナジェティクス講座やデザインサイエンス講座に移行するため第2期生の募集は未定だ。
教育は個人教育が効果的だ。これまでこの方法が民主主義社会で検討されなかったのは
効果的かもしれないが財政的に困難だからとか、学生より教師が常に少ないからというだけではないだろう。
なぜなら、21世紀では、
この可能性を確実性に変換できる電子的で経済的な方法はすでに豊富に存在しているからだ。
教師と学校がこうした方法に不慣れな理由は、
この方法が、教師の終身雇用と学校というシステムを破壊するからだ。
私は経験から、すべて学びたいことを個人教授から始めることは、
もっとも効果的で人間的なことだと感じる。そしてもっとも信頼できる自由への構造なのだ。
「構造とは何か」。
これはシナジェティクス入門講座の最大のテーマである。 Y.K
- 2007年4月13日 12:17 PM
- シナジェティクス講座
テンセグリティのヤング率は誰が決めるのか
力が働いても、形が変わらないように見える物体は剛体と言われている。
それに対して、力が働くと形が変化するように見える物体は弾性体と言われている。
物理学が、すべての固体が弾性体であると定義した瞬間に
すべての物体において理想的な固体は存在しなくなる。
弾性体には必然的に相対的な硬さの値を表すヤング率が存在する。
合金でさえ原子間の凝集力が弾性的性質を決めている。
テンセグリティモデルの弾性的性質を自由に決めて良い場合、
張力体をゴム材で構成することは、
自動車のタイヤをタイヤよりもヤング率の大きい金属や木でデザインするようなものだ。
つまりエンジニアリングの決定的な欠如があるのである。
自然が構造の作りやすさのために、原子間の凝集力を犠牲にすることはあり得ない。
フラーレンもナノチューブのヤング率も、
テンセグリティ構造以外では再現できないだろう。 Y.K
—ヤング率の比較—
ナノチューブ 1200
炭素繊維 345
鋼鉄 208
木 16
エポキシ 3.5
ゴム (1.5-5.0)×10-3
ポリエチレン 7.6×10-1 単位[GPa]
- 2007年4月7日 8:57 AM
- テンセグリティ ワークショップ
母国語
私の数学と科学の母国語は
シナジェティクスである。
シナジェティクスとは視覚化可能なモデル言語である。
このモデル言語を習得すると
超専門化された言語は、方言のように感じられるだろう。
互いに他の専門分野の言語は分からないように作られているかぎり。 Y.K
- 2007年4月6日 6:11 AM
- シナジェティクス講座
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