月別アーカイブ: 2007年4月

スカイブレイク

一番だまし易いのは、観察者ではない。
2つ目がありながら、
同時に2つの対象物が認識できない目と脳の機能である。

例えば、一つの4面体を観察する場合、通常観察者は外部にいるしかない。
なぜなら、内部にいる場合、
同時に4面体のすべての頂点を捉える視野角さえももたない。
これは4面体と観察者との相対的な大きさの問題ではない。

ゆえに、4面体の内部と外部は同時に認識できない。

このことは、
ジオデシック・シェルターを組み立てる場合に顕著になる。
外部にいるアセンブラーは、内部の構造のパターンと互いに鏡像になるので、
完成したシェルターから見る自分を覆う総三角形のスカイブレイクに驚くだけではなく、
同時に一つの視野角で把握できない内部の構造パターンが
空間を心理的により大きく感じさせるのである。

閉じた球状パターンでは、内部の空間イメージは外部から想像する内部の空間イメージと
けっして合致することがないという人間の認識の限界に最初に気づいたのは、
アーティスト・サイエンティストである。
オスマン帝国が教会建築を取り入れ、球状空間によって
柱のない広大な礼拝堂空間をもつ建築様式を生み出した理由でもある。   Y.K

全方向の対話革命

トポロジー
バイオロジー
ジオロジー
そして
エコロジー
に共通な<logy>は科学や学問を表す接尾語である。
そして科学は対話である。
対話は、話すことであり聞くことである。
口学問だけではなく耳学問でもある。
読むことや書くことは、その次だ。

だから、科学の学習の最初は読書ではない。
シナジェティクス講座はもちろんテレビ電話(ichat)による
同時的対話から始まる。
シナジェティクスは、口学問だけではなく耳学問だけではない、
手学問(modeling)でもある。

21世紀の教育革命とは、全方向の対話革命である。
対話にキャンパスや建物、そして通学は不要だ。     Y.K

『クリティカル・パス』ーーー宇宙船地球号のデザインサイエンス革命

新たなブックデザインの第1版が白揚社から今月出版される。
既に最初の刷り見本が手元に届いている。
http://www.hakuyo-sha.co.jp/

クリティカル・パスの定義は、
1980年代後半のアメリカの緊急医療テクノロジーによって、
「アローダイアグラムで表した作業工程にいくつかの分岐がある場合、最短時間ですべての工程を終了できる経路」として理解されてきた。
しかし、アローダイアグラムは直線的である。

デザインサイエンス革命に必要なクリティカル・フィードバック回路は、たいてい3次曲線である。
この螺旋こそ、プロジェクト全体にかかる時間・エネルギー・資源の軽減化につながる十分な情報を与える。
ウォー・ゲームのような殺戮のための最適化(optimize)戦略からは、この回路は生まれなかった。

1981年にバックミンスター・フラーが出版した『クリティカル・パス』の独創的な定義には、
動力学的なシナジェティクスモデルが前提にあった。
動力学的なシナジェティクスモデルとは何か。
シナジェティクスの革命性的モデルは、『コズモグラフィー』でバックミンスター・フラー自らが解説する。

Y.K

テンセグリティ

フラーレンはダイヤモンドの表面を傷つけるほどの強度を持っている。
しかし、それはけっしてダイヤモンドよりは堅いことを意味しない。
圧縮と張力に注目しなければ、この分子的世界像を記述できないにちがいない。
圧縮と張力という相補的な概念を理解するには、もはやシナジェティクス・モデル以外には存在しない。

テンセグリティモデルは、多頂点体(polyvertexia)の一般化である。  Y.K

多頂点体(polyvertexia)

科学史上最初のモデルは、炭素の4面体モデルであった。
次に科学史上最も短いノーベル賞論文は、遺伝子の2重螺旋モデルであった。
そして、20世紀の終わりに3番目の炭素の結合モデルの発見によって、
物理学の概念は大きく揺れ動いた。

実際、フラーレンの発見では、面数が観察されたのではなかった。
発見者たちは、観察された情報を新しい概念で再構築したのだ。
頂点という出来事の数(=分子数)を新しいモデル言語で統合したのだ。

シナジェティクスは、フラーレンが発見される前から、多面体という固体的概念から
多頂点体(polyvertexia)の概念を発見して、様々な数学的発見を蓄積していた。
バックミンスター・フラーレンという長い学名には
シナジェティクスへの敬意が顕れている。   Y.K