科学・技術史

科学・技術史を編纂するアカデミズムの科学史家たちは
実はジレンマに陥っている。

たとえば、長岡半太郎の原子核モデルが、
ニールス・ボーアより早く概念化されているにもかかわらず
世界の科学史に異論を唱えられないような立場が
国境別の科学史家に生じているからではなく、
科学史に残るほどの重要な発明発見ほど、
大学の外で成されてきたからである。

主要産業国が個別に作成した科学・技術史を比較すれば、
より明確に資格のない科学者や発明家たちによって
形成されているのがわかるだろう。

マンハッタ計画に参加し、アラモゴードで原爆を技術的に可能にした
発明家の一人はイギリスで原爆製造に関する最初の特許出願をしている。
科学・技術史ではこうした事実こそ抹消されたままだ。

この惑星の教育課程では、真実に基づいた科学・技術史は
けっして公開されない。
公開された歴史は、戦争映画のように編集されているだろう。

教育を、ひたすら貨幣のように資格を発行する機関に求めた代償は
発見・発明を自己評価する独創性をつねに減らすことになった。

発見・発明は個人によってのみ実現できるにもかかわらず、
世界権力機構(=グランチ)によって独占されるのは、
個人こそが真の産業上の膨大な利益を生んできたからである。

その結果、事実は分断され、破壊され捏造されている。

(追記;それゆえに、真の構造(テンセグリティ構造)の歴史を
編纂するアカデミズムの科学者はナノチューブの研究者を含めて存在していない。)