2つの宇宙

地球人にとって、
宇宙は、大気圏外と大気圏内に区分できる。

雨や雪は、重力によって地球の中心に向かって落下し、
やがて海に集められる。
次に表面から放射状に水蒸気となって移動する。
バイオスフィアのすべての水は、
これらの相互変換の過程に、つねに保存されている。

意図的に、大気圏内の天然ガス、石油・石炭ガス、そして
それらを使用して生産されるメタノールなどから
燃料電池用の水素を取り出そうとしているのは、非効率的であるばかりか
これらの地下資源エネルギーの変換過程で発生する二酸化炭素の発生量を
論理的に削減する方法ではない。

石油や天然ガスなどの偏在する大気圏内の天然資源に比べれば、
ありふれた水から大気圏外から注がれる太陽エネルギーを使って水素を取り出せるので、
独占されにくい。
それゆえに、燃料電池は主に大気圏外で利用されてきたのである。
地球での生存に必要な一般化されたテクノロジーは、
大気圏内宇宙では独占されたままだ。

しかし、「宇宙は、環境を含むすべて (RBF) 」であり
宇宙は先験的で包括的なテクノロジーである。
大気圏内宇宙の独占は、じきに宇宙から陳腐化されるだろう。