テンセグリティ構造の死と再生

テンセグリティ構造が現状維持する場合は、つねに振動する。
応力分散や外力分散機能に費やされるエネルギーが
構造自体を強化しているのである。

水分が樹木の無数の木部組織の細い導管を通過することによって、
構造にとって有用な圧縮機能を強化しているように、
樹幹の支持機能を形成する木部繊維だけが機械強度を維持しているのではない。

そして、導管が樹皮のすぐ下の外周にそって密集しているのは、
幹の表面に張力機能を形成するためである。

葉からの毛細管現象がなくなり、細い導管からも水流が止まるとき、
つまり、テンセグリティ構造が静止するときは、構造の死を意味する。

木は枯れると折れやすくなる。
水はすぐれた再生的な張力材なのである。