反網膜的(anti-retina)

可視的な虹のスペクトルの識別可能な構成色が
色彩を表す言語数に依存するならば、
1677万色1原色あたり8ビット(256階調)以上のデープカラーは
色として網膜で感受できていても
脳では認識できていない。
人類はすでに色以外の情報の領域に達している。

網膜では
肉眼によって画素を認識できないほどの解像度やコントラストよって
可視的な色彩は、より鮮明で深みを感じるように変換される。

しかし、不足した色彩(例えば、墨絵や雪国の風景)が
過剰と同様に豊かさに変換できるのは、ひたすら言語による。

テンセグリティのモデル言語もまた反網膜的である。

テンセグリティの構造とパターンだけでは
その圧縮力と張力の動的な均衡は説明できないからである。

反対称的に統合されたテンセグリティモデルは
美的な色彩を拒み、素材の質感を超越するほどに反網膜的である。

モデル言語は視覚情報以上の<構造と意味>の相互作用領域に達しているのである。