予測的デザインサイエンス」カテゴリーアーカイブ

回転に逆らうだけの革命

竜巻では〈放出evolve〉と〈吸収involve〉は非同時的だが共存する。
回転に逆らうだけの革命(revolution)とは無縁だ。
テンセグリティには、竜巻に近い構造の自律性がある。

つまり、進化(=evolution)も
退化(devolution)もしないシステムである。

外力分散機能だけではない
構造の局所的破壊に対する補償作用は
未知(unknown)を統合するシナジーである。
シナジーは自然(nature)さえも統合する。

どんな政治的・経済的革命も、時代遅れである。

デザインサイエンティスト

4つの無のテクノロジーに関する
デザインサイエンスによるプロトタイプとその量産方法が
デザインサイエンティストの意思として
政府が税収奪のために独占すべきだと望んできた現実の中に
刻み込まれるよりも前に
プロトタイプを完成させるテクノロジーこそが
自己のテクノロジーを練り上げていく。

無線、無管、無柱、無軌道について

皮膜のない宇宙服では大気圏外では生存できない。

皮膜や外殻がないかぎり
すべての生命は宇宙では生存できないにもかかわらず
テンセグリティやジオデシックドームよる
大気圏内の宇宙開発は確実に遅延してきた。

バイオスフィアという
最大のインドア(=大気圏)が素晴らしくデザインされているがゆえに
アウトドアのドームテント以上に
モバイル用のインドアはデザインされてこなかったのだろうか。

初期モデルのバックミンスター・フラーのダイマクションハウスから
第2次デザインサイエンス革命による
テンセグリティシェルターのプロトタイプ完成まで60年以上を経過している。

デザインサイエンスが供給する
テンセグリティシェルターでの
モバイル用インドア生活は
すべての都市インフラを完全に不要とするデザインがなければ
真のモバイル性の自由度から形成される精神の自律性は
実現できないという前提は
この半世紀間変わらなかった。

無線、無管、無柱、無軌道を実現する
デザインサイエンス革命による4つの無は
無為自然というテクノロジーへの進化過程に置かれている。

最初に、この無為自然を実現するのは
火星計画ではないだろう。

Doing More With Lessの私的見解

「Doing More With Lessを事実に基づいた具体例に変換してみましょう。
我々の住居の平均的な壁の厚みは30cm程度です。
部屋の幅が6m程度とすると、その厚みは幅の20分の1となります。
人間の頭蓋骨の平均の厚さは6mm程度なので、直径との比率は40分の1以下です。

ところが、鳥の卵の殻の厚みと卵の直径の比率は80分の1以下になっています。
彼らは産卵する直前まで飛行しなければならないからです。
適切にデザインされたジオデシック・テンセグリティドームのその比率は200分の1以下となります。
我々が惑星地球上で生存するには、移動しなければならないからです。

実際、我々の細胞膜のこの比率がさらに小さくなるのは、細胞自体がテンセグリティ構造だからです。
身体を構成する60兆もの細胞を周期的にすべて入れ換えるために、
自然はテンセグリティ構造を再生システムとして採用したのです。

人類のこれまでの固体的住居を構成する殻や壁は、圧縮材ではなく張力材として機能すべきです。
そして、テンセグリティ構造は、周囲の環境と共存した状態を形成するために常に振動するシステムです。
自然が振動というDo More with Lessを採用するのならば、
振動は構造を常に軽量化すると考えられます。

Do More with Lessは、張力材を構造に包含させるための、
構造デザイン上で最も効果的な方法論になるでしょう。


2008年の私へのインタビューから引用
このインタビュー以後も、テンセグリティ構造をより高度に単純化するための
種々の発見に基づいた新たなテンセグリティ理論が形成されている。
その理論を応用したテンセグリティシェルターのプロトタイプの制作以上に、
デザインサイエンスの歴史にとって重要なTrimbTabはないかもしれない。
なぜなら、アメリカに於いてもこの日本においても
個人のための<生活器のデザイン>を他の誰も挑戦してこなかったからだ。

エフェメラリゼーション

デザインサイエンスは、

比較するよりも、発明を
分析するよりも、実行を
生産効率を上げることよりも、
宇宙のなかの人間の役割の
先験的な企てに参加することに適している。

予測的な思考力と行動力こそが
物質に対して加速度的なエフェメラリゼーションを生む。

物質化よりも先行するテクノロジーは
メタフィジックスに属する。

シナジェティクスと操作主義

構造とパターンを相互に調整する言語は
シナジェティクスによる
新たな操作主義の収穫であり、数学である。

デザインサイエンスは
最も効果的な構造とパターンを物質に変換する
すべての方法に関わる。

このシナジェティクスの操作主義の有効性は
もっとも知的なプロトタイプで実証されるだろう。

プリセッション(計画的偶然)

宇宙開発の副産物によって人間の生存方法とその状態が
改善されることよりも、
グランチの支配と搾取による大多数の不利益が増大する方がつねに優位ならば
個々人が、そして個々人にとってもっとも優先すべ生存上の課題は
軍産学複合体による大気圏外の宇宙開発ではなく
大気圏内の宇宙開発にちがいない。
ーーーーーーーーいうまでもなく、欠乏のない科学的で経済的な食料とエネルギー、
そして、住居の生産方法などについて。

だが、実際に行動するに至る過程で
幾つかのプリセッション(計画的偶然)が介在して
その探査がはじめて成就する時
個人的な出来事の記録とその変化こそが重要になることを
その探査する前に、いったいどのような方法で
知ることができるのだろうか。

この先見的な目的論を理解するための
デザインサイエンスのプログラムは
モデル言語の習得から始まる。

はじめにコズモグラフィーありき

デザインサイエンスなきシナジェティクスも
シナジェティクスなきデザインサイエンスは
ともに短命である。

25歳までにシナジェティクスを習得していても、ただの幾何学にすぎない。
30歳までにデザインサイエンスに挑戦しても、
プライムデザイナーなきプロダクトデザインにすぎない。

もし、40歳を過ぎてデザインサイエンスを継続していれば、
宇宙のシナジェティクス原理を発見しているにちがいない。
そのとき、再びコズモグラフィーを理解できるだろう。

シナジェティクスとデザインサイエンスの修行期間は、
人類最長の12年間である。

はじめにコズモグラフィーがなければ、どんな志も耐えられないだろう。