最初のテンセグリティ

最初のテンセグリティ構造を発見したのは
バックミンスター・フラーではない。
まして最初にテンセグリティをデザインしたのはスネルソンではない。

自転車のホイールはそれ自体でテンセグリティ構造である。

テンセグリティの概念化の歴史で重要なことは、
最初に誰が自転車のホイールの中に
人類が居住できる空間をデザインできると考えたかである。
つまり、最初のテンセグリティ構造は、
1927年の4Dダイマクション・ハウスである。

自転車のホイールを構成するワイヤーからなるハブシステムから
海洋テクノロジーに見られるマスト構造を
より軽量に変換できることを発見した結果、4Dハウスが生まれた。

そして、バックミンスター・フラーより前に
このホイールを誰もテンセグリティとは呼ばなかった。
さらにこのテンセグリティ構造が
球状テンセグリティに変換できることまでを一般化するためには
さらに1944年の金属ダイマクション・ハウスの完成から数年間を要した。
最長の懐胎期間22年が経過している。

この歴史的事実を確信をもって理解するには
知識だけでは不可能である。
少なくともテンセグリティをゴム紐で構成して
クリスマスプレゼントにしている場合ではないだろう。