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遠隔シナジェティクス・入門講座 開始

R.B.フラーの「ベクトル平衡体」モデル

開催日:
第一回 2020年6月27日(土) 9時から3時間程度 満員
第二回 2020年7月4日(土) 9時から3時間程度 募集中

誰でも短時間で構成できるこのベクトル平衡体は、テンセグリティモデルと同じようにフラーのシナジェティクスを代表するモデルである。
このベクトル平衡体は半世紀にわたって、重い24本のストラットと反発力のない12個のゴム状ジョイントによって、ベクトル平衡体の平衡状態を自力で再現できなかった。無重力状態での操作を前提としてデザインされていなかったのである。
遠隔シナジェティクス・入門講座で使用するフルモデルチェンジした「ベクトル平衡体」は重力圏内でも平衡状態で自立できるようにデザインされている。超軽量化された「ベクトル平衡体」は、十分な反発力を備えた12個の樹脂ジョイントで再構成されている。

バックミンスター・フラーのベクトル平衡体は、1944年に発見された。
古代ギリシアで開始されたプラトン・アルキメデスの多面体の25世紀期間にわたる歴史を一夜にして変革したシナジェティクス・モデルである。
大理石によるプラトン・アルキメデスのモデリングは、中身が詰まった固体のモデルであった。
バックミンスター・フラーは、フレームモデルに置換しただけではなく、すべてのジョイントに角度的な自由を与えた。面角と二面角、そして中心角が、多面体の固有の角度から解放された瞬間であった。

ベクトル平衡体=ジターバグ・システムによる対称的な収縮・拡大(Jitterbug : Symmetrical  Contraction Vector Equilibrium )

「ジターバグは、大きさのない、全方位的に脈動する核をもつモデルである。ベクトル平衡体を初期状態とするジターバグの変換システムは、大きさから独立した概念システムであるため、宇宙における法則の可視化が可能である。」バックミンスター・フラー 1975

『 SYNERGETCS 』1975

今回のシナジェティクス研究所が開発したシナジェティクスモデルでは、フラーが開発した第1世代のジョイント(1944)を、全方位に対して、自立できるように、モデルを軽量化させ、同時に、つねにより対称的に連動させるために改善された第2世代(1983)を経た第3世代のX型ジョイント(2005、2019)を採用している。(特許出願済)

ベクトル平衡体は「多面体」で達成できない宇宙観を物質化している。
モデル言語は、物質を経由して脱物質化する。
多面体の固有の角度から解放されたシナジェティクストポロジーでは、つねに2点間距離は維持される。

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Foldable Tensegrity Shelter [バラック・テンセグリティ]

風と共鳴するテンセグリティもあるが、
窓側に置かれたアブノックスなテンセグリティオブジェもある。
雨や風、そして雪を内部から感じながら
大地から自律する半球テンセグリティ原理を
応用した量産のための原型デザイン
つまり、最新の安価な素材から成るセルフビルドの
バラック・テンセグリティの原型がついに完成した。
大気圏と共鳴しながら移動する空間以上に
安全で経済的なサバイバルがあるだろうか。

バラック・テンセグリティシェルター その元型モデルの発見 1995
シナジェティクス研究所 構造デザイン 梶川 泰司 + 嶋 あゆ子

展開型テンセグリティ構造 1995

静止状態の固体現象は発見されなかった。
出来事は物から記述できない。
機能は物からデザインできない。
私が発見したシナジェティクスモデルはすべて動く。
テンセグリティ構造でさえ展開型にデザインできる。
1995年直径11mのモバイルテンセグリティシェルターが制作された。

1995年バックミンスターフラー100年祭(ニューヨーク)で展示された
展開型テンセグリティ構造モデル(直径200㎝) 
構造デザイン 梶川泰司 
制作 シナジェティクス研究所


『宇宙エコロジー』バックミンスターフラー+梶川泰司 著 美術出版社 2004 p352

動的なベクトル平衡体と最短距離(再考)

地球から火星に宇宙船が移動する軌道が3次元曲線になるように
静的なベクトル平衡体(Jitterbug)の外接球面上の頂点から
収縮・拡大する動的なベクトル平衡体の外接球面上の
頂点へと連続する軌道も螺旋状の3次元曲線として考察できる。

それらはつねに最短距離である。
しかし、イデオロギーに関わらず政治経済システムが扱う最短距離は
つねに直線として考察されてきた。

最小限の方向舵(trimtab)

自分自身の経験に基づいて判断された真実に
最も鋭敏な直観のみで反応していくにしたがって
モバイルシェルターを所有(あるいは設計・制作)し、
天頂部までの星空を見ながら生活することが
その直観的な意識をより拡大する
もっとも効果的な最小限の方向舵(trimtab)であることに気づくだろう。

私の場合は、その気づきはシナジェティクスへの序章だった。

独自で自律したシナジェティクスの研究には
キッチン+バス・トイレのあるモバイル・シェルターはもっとも有用だ。
不要な生存条件を削ぎ落とした内部空間は、
野生の思考を始動させる宇宙と自己とを媒介するための
最初の環境制御装置なのだ。

回転する球と振動する球

ボールベアリングは
人工的にデザインされた
もっとも効果的な圧縮部材である。

回転するボールベアリングは他のボールベアリングと相互に点接触する。

テンセグリティ球は
自然によってデザインされた
圧縮部材と張力材の相補的に統合されて
もっとも効果的に共鳴する疑似球面である。

他の物体と相互に接触する時、
互いに非接触な圧縮材は相互に非同時的に振動する。

自律的な浮かぶ疑似重力圏を形成し
移動しながら惑星地球と相互に点接触することもできる。

続)シナジェティクスのモデル言語

モデル言語が理解よりも先行した真の構造革命は
中心軸のある初期のテンセグリティとしての
ダイマクションハウスを陳腐化した。

バックミンスター・フラーの愛好者たちは
4Dハウスとダイマクションハウスの基本概念を超えるまでの
もっとも長い懐胎期を知らないまま
彼の幾何学と工学を駆使した包括的デザインを
20世紀のレオナルド・ダ・ビンチと称してきた。

多軸テンセグリティ原理の発見は
ジオデシック原理の発見の前夜だったのである。
(参照 第3章 テンセグリティの発見 『宇宙エコロジー』
バックミンスター・フラー+梶川泰司著 美術出版社2004)

シナジェティクスのモデル言語から構造の全歴史における
最大の飛躍が翻訳できなければ
人々は論理的な理解に急ぐ習慣を変えないまま
時間的事実を逆さから理解することに終わるだろう。

遺作となった『コスモグラフィー シナジェティクス原論』
(バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 白揚社 2007)では
彼はダイマクションカーとダイマクションハウスの量産計画に
携わっていなければ、シナジェティクスは
さらに加速していた可能性を告白している。

非物質化のための共鳴

あらゆるジオデシック・ドームは、
人間の認識範囲で張力材と圧縮材の区別ができるかどうかにかかわらず、
テンセグリティ構造である。

ジオデシックドームは
構造を構成する圧縮材とテンセグリティにはない
ジョイントの各構成部材数が増加すると同時に、
テンセグリティの振動を伴う共鳴が減衰した状態である。

非物質化した構造とパターンが、
振動と共鳴を制御するテンセグリティにおいて、
振動と共鳴は、構造の剛性と強度を犠牲にしない
超軽量化のためのmore with lessである。

テンセグリティ原理とニューマチック構造

ジオデシック・テンセグリティ構造は、
ある瞬間に偶然に内側から皮膜に向かって衝突し、
皮膜を外側に押す特定の気体分子の振る舞いを、
大円(ジオデシック・ライン)上に位置する不連続な圧縮材に置換した
無柱で中空の皮膜構造体である。
この場合、冗長で過剰な分子群は構造から完全に除去されている。

言い換えれば、リダンダンシーの完全な排除と陳腐化に成功した
最初の構造システムになる。

ジオデシック・テンセグリティ構造を
構成する不連続な圧縮材に対応するパターンにそって、
風船の被膜内面に圧縮材の両端部と結合するポケットを取り付けて、
その硬く曲がりにくい圧縮材の両端をそのポケットに挿入すると、
あたかも気体を充填して内圧をかけたような球形構造を維持できる。

そして、その形状を維持したままその皮膜表面に無数の穴を開けても、
驚くことにこの状態を維持できる。

皮膜に最大の穴の面積をデザインすると、
ジオデシック・テンセグリティ構造の最短の張力材の総計からなる
ジオデシック・ネットワークの編み目になるのである。
(このときに、テンション材の総重量も最軽量にできる。)

これこそが、ジオデシック・テンセグリティ構造が、
最軽量のニューマチック構造にデザインできる原理である。

デザインサイエンスの方法論 リダンダンシーの理論的排除について

直径に関わらず、ジオデシック・ドームが経済的にデザインされることは稀である。

安全係数が大きくなればなるほど、リダンダンシーが大きくなるが、
荷重を分散する自由度は小さくなる。
航空機は飛行するために軽量化されなければならないので、
リダンダンシーの理論的排除が積極的に行われている。
実際、建築業界では4倍から倍程度の安全係数を使うのに対して、
航空機業界では、2倍以下の安全係数しか使わない。
この違いは、技術的に無知であればあるほど、
適用する安全係数は大きくなることを証明しているだろう。

ジオデシック構造は荷重を分散しない「柱と梁」を基準とした
連続する圧縮材を前提に分析されている限り、
これまで建てられてきた巨大ジオデシック・ドームは、
航空機とは比較にならない過剰な安全係数で造られている。

間違った前提からジオデシックドームは航空機ほど安全ではなくなっている。