月別アーカイブ: 2008年6月

戦争器械としてのテンセグリティ

第3回の実験的なテンセグリティ・ワークショップを終えた。

私のデザインサイエンティストとしての役割は、
「この惑星〈地球〉での真の建築とは、ミクロ構造からマクロ構造を形成すること、
あるいは見えない構造から見える構造を構築するデザイン・プロセス」(RBF)を
レイマンたちが自発的に理解し、自らの手で作り上げることだ。

原理を理解すると、もっとも効果的な構造が再生される。
シェルターのアセンブルデザインは、包括的な理解の集大成となる。

エネルギーと食料危機に対抗して、
エコロジー的に住むためのシェルターは
戦争器械により接近する。

テンセグリティモデルの作り方

テンセグリティは柔軟な強度を備えている。
だからといって張力材がエラスティックにはデザインできない。

テンセグリティがボールのように弾むのは張力材の弾性力からではない。
圧縮材との相互作用はエラスティックな張力材によって著しく損なわれる。
テンセグリティモデルは原理的に作らなければならない。

張力材にゴムなどの代用品を使用したテンセグリティは非原理的だ。
張力材には可能な限り伸度がない物質を使用すべきである。
特にステンレスワイヤーなどは前世紀の遺物だ。

備考
Tensegritoy(USA)などはテンセグリティの概念を教育する教材のなかでは
もっとも有害な商品だ。

相補性モデル

テンセグリティという構造の形態から、
閉じた有限のシステムを包括する連続的な張力機能であり、
不連続な圧縮材の局所的な圧縮機能ではないという構造原理を学ぶことができる。
張力と圧縮力という非鏡像的な関係が相補的に存在する。

部分から全体は予測できないが、
全体が最初に与えられた場合、どの部分の機能も予測できない。

しかし、この相補性を物質に置換したテンセグリティは
稀有な原子核モデルである。

デザインサイエンスにとって緊急時とは何か

デザインサイエンスにとって緊急時とは何か
市場のデザインには市場の意見が反映される。
一度の災害で何万人が命を落としても、市場はいつもと変わらない。
(軍隊以外が緊急時のためのテクノロジーにお金を使う習慣はない。)

緊急時は市場ではないので、ピアノの蓋(反響板)は、
もっとも高価で重い救命具としてデザインされる。
ピアノの蓋に対して、
その希少性ゆえに偶然の巡り合わせで生き延びる方法以外を望んではいけない。

デザインサイエンスは緊急時を待たない。
デザインサイエンスは、緊急時のためのテクノロジーに備えるのはなく
目的論的テクノロジーに自発的に対処する。

自発性こそは、緊急時の道具に包括的なデザインが反映される唯一の方法である。