月別アーカイブ: 2009年3月

2種類の more with less

経済人が策定する人件費の削減は誰かの犠牲によって達成されるかぎり、
古典的な合理化である。
製造工程の省力化に関する発明によるコスト削減策は、
予測可能なロジスティックで達成される more with lessである。

テンセグリティ・ジオデシック構造の分割数の増加に関して、
理論的には限界はない。
もちろん、より多くの機能を提供する際の予測可能なロジスティックにあるが、
構造が大きければ大きいほど、
分割数の増加に伴って部材の局所的な扱いがより簡単になる。
この分割数の増加によって、製造コストやアセンブルコストの<級数的な削減>を達成し、
同時に、システムからリダンダンシーを理論的にも排除できる。

つまりテンセグリティ構造の半径の増加に伴う単位体積あたりの
劇的な製造コスト削減において、
社会的経済的な犠牲は伴わない。
これこそが、予測不可能な more with lessである。

この予測不可能なmore with lessを達成した分割方法によって、
テンセグリティ・ジオデシック構造の構成要素のデザインは、
つねに同型のユニットの増加をもたらす。

articulationという原理と原理と調整を果たすためにのみ、
デザインという物理的次元が与えられるとも言える。

コスト削減によって構造のプライム・デザインが犠牲になる場合は、
発見されるべき more with lessも犠牲にされていると考えて良いだろう。

テンセグリティの自動張力調整機能

テンセグリティはジオデシック構造に比較すれば
ジョイントレスであると言われてきた。
なぜなら、テンセグリティのジョイントは張力材自体である。
本質的にテンセグリティ構造はジオデシック構造よりは最軽にデザインできる。
しかし、ターンバックルでテンセグリティの張力調整機能を代行させている限り、
最軽量にはほど遠くなる。

自然がテンセグリティの張力調整をテンション毎に
取り付けたターンバックルでするとは思えない。
ターンバックルのないテンセグリティモデルの制作には
高いエンジニアリング以上に新しい理論が必要だ。

シナジェティクス研究所のテンセグリティ開発チームは、
これまでになく均一な張力で統合された超軽量テンセグリティ・シェルターの
プロトタイプの開発に成功した。

ターンバックルを完全に排除しても、テンセグリティの張力を
自動調整する機能を形成するための新たなハードウエアは不要だった。

さらに、この張力材の重さに対する強度の増加が構造システムの
エフェメラリゼーションを加速する場合は、
張力材がそれ自体を構成する炭素の原子構造の原子間引力のモデリングにより
接近した証明になるだろう。
自然は、機能の増加のための解決策を新たな部品数の増加や重量増加に求めない。
(その結果、増加する質量は原子数や原子核の殻構造のように
つねに整数比で自己形成する。)

参照
自然のエンジニアリング