テンセグリティ構造  NASAプロジェクト

驚くことに、バックミンスター・フラーでさえ、
ジオデシック・ドームのための三角法の計算をやり遂げるのに、二年間を費やしている。
1950年代には、忍耐強い手計算なしでは、構造の革命は達成できなかった。

しかし、現在途方もない強力なパソコンがあるにもかかわらず、構造の革命は途絶えているのはなぜだろうか。

ジオデシックドームでさえ、バックミンスター・フラーのデザインの再現に止まっている。
張力材に対する信頼が陸地で生まれた固体的な技術体系に欠如していることが、テンセグリティが構造の究極であるという認識の不足に繋がっていることは、テ ンセグリティ理論の大気圏内での応用の半世紀間の歴史を見れば、明らかである。これは、私が 90年代にRBFのアーカイブでNASAプロジェクトのレポートを閲覧した時の感想である。

テンセグリティ構造が美しいのは自慢にはならない。
経済的に自立するテンセグリティ・ジオデシック構造が美しければ、それは原理の統合性の美しさだ。
人間がつくり出すどんなデザインも到達できなかった美だ。