シナジェティクス入門講座生への最終講義を終えた。
理解のプリセッションは名状しがたいイメージを伴う。
講座生は6ヶ月間のキャンパスのないデスクトップ上での
(つまり机上の)思考実験から、
予測的に必要とされるピクチャーを描き始めた。
第2期生による遠隔地を結んだ
シナジェティクスの独自の翻訳・註釈プロジェクトが開始された。
この加速する平行移動は、スカイプの分散型ネットワークの支援によって
自発的に発生した企てである。
シナジェティクスほど自立的な知としての「翻訳学」が求められることは稀である。
モデリングと概念との結合作業において、
シンタックスとセマンティックの相互変換と統合の試行錯誤を経て、
言語学の下位概念ではない「翻訳テクノロジー」が形成される。
(「思考を声に出す」過程のすべてはオーディオ・ハイジャックされ、
ダウンロード可能なクロノファイルは
もっとも優れた自己のテクノロジーの一部となった。)
バックミンスター・フラーの遺作となった『コズモグラフィー』が
シナジェティクス入門書ではなく
シナジェティクス原論であったように、
この翻訳・註釈プロジェクトで形成される翻訳学は、
モデル言語を含めた註釈学となる可能性がある。
どんなに複雑なリンクも一筆書きの変形だ。
どのルートも2度通過すれば、つまり相互作用すればどこにでも行けるトポロジーだ。
われわれは距離を超越するためには交差点(=ノード)を増やすことを躊躇しない。
これらの自己のテクノロジーによって、
彼らはもう一つの「宇宙船地球号」に帰還できるだろう。
そして、外部から見たこの「宇宙船地球号」は、
かつて英語圏内からでも観察できなかった
新たなメタフィジクスの外観を備えているにちがいない。
晩年のバックミンスター・フラーがアジアに頻繁に停泊していた歴史的理由かもしれない。
講座生たちがシナジェティクスを読破する前に、
「宇宙船地球号」に降り立とうとしていることは記念すべき方法である。
経験の後の知の探査によって、情報量を劇的に節約できるからだ。
それは統合の関係数を増大させる明白なプロセスかもしれない。
インターネットによるシナジェティクス教育は、
どんな建築よりも本質的にテンセグリティ構造に接近している。