日別アーカイブ: 2009年2月16日

環境とデザインサイエンス

「生活は継続的に環境を変化させ、変化させられた環境が今度は、
生活の可能性、現実性、課題を変化させる。
環境は、人間にとって外在的で発明によってのみ実現される代謝再生的有機体の、
非同時発生的でありながら、全面的に統合されている変化の複合体を包含している。RBF」
『クリティカル・パス』第4章 バックミンスター・フラー著 梶川泰司訳
白揚社 2007

バックミンスター・フラーはこの代謝再生的有機体を、産業化の過程と関連づけている。
この産業化の過程を、「一面的な利益のために生産力を利用する
金儲けのためのビジネスと見なして矮小化させない。」(同上)
のはデザインサイエンスに限ったことではない。

金融資本主義と協調したコングロマリット(複合企業体)と
軍産複合体が主導した産業化の様々な設備投資は、
国家や株主ではない大多数の地球人が支払ってきたのだから。

デザインサイエンスの包括的な視点は、『クリティカル・パス』と
『シナジェティクス』から学ぶことができる。

参照
『コズモグラフィー シナジェティクス原論』(白揚社  2007)は、
フラー自身の遺作となったシナジェティクスの解説書である。