テンセグリティ(tensegrity)という言葉は、
張力による統合(tensional integrity)短縮形である。
なぜ、バックミンスター・フラーは、そう名付けたのだろうか。
圧縮材は、より長くなると撓んできて、ついに挫屈する傾向がある。
張力材は、より長くなっても、張力の限界値は同じである。
テンセグリティでは、圧縮材は撓まない長さの局所的な島々として配置され、
構造全体の統合性は、張力が包含する閉じた有限のネットワークで保証される。
テンセグリティ構造の形態は、不連続で局所的な圧縮材の振る舞いではなく、
閉じた有限のシステムを包括する連続的な張力の振る舞いで決定される。
圧縮力による統合(Compressional integrity)は、存在しない概念である。
しかし、ほとんどの建造物は、圧縮材のみでより固体的にデザインされてきた。
なんという物質とエネルギーの無駄づかいだろう。
重ければ重いほど、安定するという世界観が
重ければ重いほど儲かるというビジネスを批判できなくなったにちがいない。
まぎれもなく、
建築ビジネスの圧縮材への偏向は、二酸化炭素の増加をより加速してきたのである。