ネクスト・エッシャー「超遠近法」について その3 「退屈な上昇と下降」は「上昇と下降」に変換できる

エッシャーは対称性の概念を芸術に導入した20世紀を代表する作家である。
彼が表裏の概念を対象化したのは「メビウスの輪」からであった。
しかし、彼は版画芸術家であり、作品を紙の表裏に印刷することはしなかった。

シナジェティクスに2次元は存在しない。
人間が厚みをほとんど無視できる最小限の表裏とは、
スピンする原子の回転軸の南北の距離である。
さらにPCのデスクトップ上の映像はこの最小限の厚みからも解放される。

光の陰影にもはや表裏は存在しない。

Next Escher 超遠近法で解くエッシャーの秘密3

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[解説]エッシャー作品自体からエッシャーの気づいていない遠近法が発見された。
私は結晶学的な3つの操作「並進」「回転」「鏡像反転」を組み合わせた
「超遠近法」という概念と技法を発見した。
『滝』や『物見の塔』などの作品に対して超遠近法の操作を行うことで,
不可能な構造を可能な構造へと転換することができる。

参照 日経サイエンス 2007年1月号
[超遠近法で解くエッシャーの秘密]
梶川泰司
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0701/escher.html