日別アーカイブ: 2010年4月25日

キンドル考ーーーー非物質化と課金システム

キンドル(kindle)とは、ウサギが子どもを生むことである。
(この場合、ウサギは基本的に食用である。)
一方、キンドル(Kindle)はamazonが展開している
ebookのプラットフォームの商標である。
この言葉は偶然の一致ではない。

歴史的に家畜は動く富であった。
牛は、ウサギの数百倍の体重をもっている。
タンパク質を豊富に蓄え、それほど短命でないこの大型の草食性動物は、
生命を維持するための実際的な富が可能な限り凝縮されているので
移動可能な換金手段になり得る。
銀行家が金銀銅の硬貨を貸し付けるときの担保にされた。

銀行家からお金を借りて貿易船に乗った冒険家は、航海が成功裡に終わると、
借金の返済と同時に、
担保とされた牛が航海中に生んだ子牛を〈利子〉として銀行家に支払った。
この支払い方法は、「カインド(Kind=現物)」による支払いと呼ばれた。

キンドル(Kindle)というハードウェアに、
読者は電子書籍という「現物」をダウンロードして知識を増す毎の見返りとして、
言い換えれば、「現物」のウサギが子どもを生むたびに
子ウサギという利子を支払うのである。
同時にアマゾンは作家から親ウサギという著作物の預かり料も徴収できる。

外見は著者の著作権料を支払う代行の課金システムに装っているが、
読者からも作家からも課金できる概念の構築に成功したのである。

彼らは21世紀の新しい銀行家に移行している。

Kindはかつて子牛を意味したが、 21世紀型銀行では、
ウサギのような小さな利子で十分なのである。

季節毎に草原を放牧させる牛の出生率とは違って、
餌を食べない重さのないウサギは無限に生めるから。