<独創性(originality)>とは
“新しい場所に置かれた元々の原型”であるとされるが
自然の構造とパターンの前では
それは言い逃れに過ぎない。
<独創性>から
この言い逃れが排除できないのは
この語が、
時系列的なタイムカプセルから
高度な経験の秩序化が非同時的に生まれる瞬間を
まったく表現していないか、
あるいは
表現しようとしない言葉だからだろう。
<独創性(originality)>は
人間のアイデアが
幾度も物質へと変換されていく過程において
デフォルト言語の破壊を好まない社会構造が抱いている、
個人に対するある種の幻想である。
シナジェティクスはこれらの幻想から
絶縁している。
<独創性>から生得的な領域(ドメイン)が奪われて久しい。
シナジェティクスが発見する自然の構造とパターン以上に、
人間の独創性を否定する「秩序」は存在しない。
それゆえに、
シナジェティクスは
自然の構造とパターンに関する思考辞書(thinktionary)の
編集方法 ―『Synergetics vol.1,2』編集で使用された最初のハイパー言語とその形式―をも
発見しているのである。