さらにバックミンスター・フラーが
この最初のジオデシックドームの発明において
すでにテンセグリティ理論を応用し
構造を張力によって統合するジオデシック・テンセグリティ理論を確立した事実を
われわれがジオデシックドームの起源に包含させて認識することができたのは彼の死後である。
ジオデシック・テンセグリティの構造の複雑さよりも
その統合性の純粋さに到達するための動的な構造の単純化を理解したいならば
テンセグリティ理論から理解するジオデシックス理論とその歴史的評価を
半世紀以上も遅らせた21世紀の超専門分化された専門家レベルの理解に求めてはいけない。
テンセグリティは
よりプリミティブな構造デザインの探求から獲得されたのではなく
希有な科学的原理として発見された。
この科学原理が
あたらなテンセグリティ構造との統合を繰り返し
同時にテンセグリティ・エンジニアリングへの精緻さと優美さによって
テンセグリティ構造を経済的に量産する段階にいるのである。