月別アーカイブ: 2013年4月

メタフィジックス革命

内部から生まれる相互作用は、統合をもたらすが
外部から与えられるエネルギーは、共鳴をもたらす。

テンセグリティ以上に<動的均衡>を
視覚化した物質の形態は存在しない。

その物質の形態は生物学的観察から生まれなかった。
<動的均衡>は生命有機体には限らないが
テンセグリティ原理の発見以後の
分子生物学によって生まれた概念である。

1948年のテンセグリティ原理の発見から
シナジェティクスでは、<動的均衡>は<シナジー>の概念に含まれていた。

それはシナジェティクスによる
決定的なメタフィジックス革命であった。

SYNERGETICS Fig. 505.41 Involution and Evolution.by RBF

シナジェティクスとデザインサイエンス

彼らは森の近くの同じ家で生まれた。
一方は裏口から、もう一方は表口から出かけた。

バックミンスター・フラーではなく
モルモットBによって、
地図のなかった森への最初の入口が発見されて
まだ1世紀を経過していない。

モルモットBはテクノロジーである。
シナジェティクスとデザインサイエンスを包括する
<自己のテクノロジー>である。
            
シナジェティクスからデザインサイエンスではなく
シナジェティクスとデザインサイエンスは
相補的で、そして非鏡像的である。
                  
                     梶川泰司

非対称性の科学

テンセグリティは
航空機に次いで台風やハリケーン、地震などで
発生する種々な外力による振動に対して、
免震や耐震そして制振のための付加装置が
いっさい存在しないモバイルシェルターになり得る。

この驚異的な機能的エフェメラリゼーションには次の共通点がある。


揚力を発生させるのは、翼の形態や制御方法ではなはない。


物体の上下で圧力差=動的揚力が生じる時、
物体の上下の流れが非対称になる原理と
物体と流体に相対速度があるときに発生する動的揚力の発見は
飛行機の発明の後に発見されている。


非連続なテンセグリティ構造体を形成するのは
ジオデシック球面分割で配列された対称的な構造とパターンにあるのではない。


テンセグリティの原理は
ユニバーサルジョイントや
自転車のホイール・テンセグリティの発明の後に発見されている。
それらはすべて対称性が関与している。

そして、最適な細長比のある非連続な非対称的に配置された圧縮材を
連続した非対称的な張力材の閉じたネットワークで統合されるという原理は
対称的なテンセグリティの開発の後に発見されている。

テンセグリティの歴史においては
非対称性や無対称性は、対称性と対比する概念ではなく
非対称性や反対称性は、対称性を包含しているのである。

構造とパターンに潜む秩序の探査に美的な対称性を求めすぎてはいけない。
美的とは視覚的な存在形態に限定されている。

「反対称性について」犬のしっぽブログ 2013年4月10日 参照)
http://www.two-pictures.net/mtstatic/2013/04/post-2755.html