非対称性の科学

テンセグリティは
航空機に次いで台風やハリケーン、地震などで
発生する種々な外力による振動に対して、
免震や耐震そして制振のための付加装置が
いっさい存在しないモバイルシェルターになり得る。

この驚異的な機能的エフェメラリゼーションには次の共通点がある。


揚力を発生させるのは、翼の形態や制御方法ではなはない。


物体の上下で圧力差=動的揚力が生じる時、
物体の上下の流れが非対称になる原理と
物体と流体に相対速度があるときに発生する動的揚力の発見は
飛行機の発明の後に発見されている。


非連続なテンセグリティ構造体を形成するのは
ジオデシック球面分割で配列された対称的な構造とパターンにあるのではない。


テンセグリティの原理は
ユニバーサルジョイントや
自転車のホイール・テンセグリティの発明の後に発見されている。
それらはすべて対称性が関与している。

そして、最適な細長比のある非連続な非対称的に配置された圧縮材を
連続した非対称的な張力材の閉じたネットワークで統合されるという原理は
対称的なテンセグリティの開発の後に発見されている。

テンセグリティの歴史においては
非対称性や無対称性は、対称性と対比する概念ではなく
非対称性や反対称性は、対称性を包含しているのである。

構造とパターンに潜む秩序の探査に美的な対称性を求めすぎてはいけない。
美的とは視覚的な存在形態に限定されている。

「反対称性について」犬のしっぽブログ 2013年4月10日 参照)
http://www.two-pictures.net/mtstatic/2013/04/post-2755.html