バックミンスター・フラーを尊敬して
建築家であったり、建築家になろうとすることは
彼を尊敬していることにはならない。
なぜなら、彼は建築家を志したことがないばかりか
建築(architecture)という概念を破壊してきたからである。
建築はより重要な構成要素が存在する構造を否定しては存在できない。
その設計・製造工程でさえ、つねに支配者(architect)を必要としている。
デザインサイエンスの設計・製造工程では、つねにクリティカル・パス法が
プロジェクトメンバーの共同性によって維持される。
真の共同性とは、反建築的(unarchy)である。
したがって、クリティカル・パスの作業工程に分業という概念は存在しない。
分業(division of labor)は、分割して統治する戦略の変形でしかないからだ。
バックミンスター・フラーを尊敬しても
クリティカル・パス法を尊重する建築家はいないという事実が
認識の不在を証明している。
バックミンスター・フラーは
1927年からアナキーな反建築家(unarchitect)であった。