投稿者「synergetics」のアーカイブ

シナジェティクス的思考(thinktionary)

シナジェティクスの発見は
思考方法の曖昧さを、
回避する以上に破壊しなければ
到達できない原理の探求方法(thinktionary)の発見を伴う。

この20世紀に発見された
モデル言語から始まる探求方法は
しばしば
思考自体に潜む言語の論理的構造でさえ
躊躇なく破壊してしまう。

しかしその破壊された言語は
個人の生得的な文法から
構成されていなかった可能性がある。

なぜなら、
発見された原理からは
自然の論理的な相互関係を理解できるが
この原理の探求方法のほとんどは
非論理的であるからである。

人間の理解とは
遅れてやってくる論理的な事後承諾でしかないのかもしれない。

唯一、
電磁誘導的な直観による理解を除いて。

クリティカル・パスにおける共同性

「すべての細胞はテンセグリティである。」

その細胞が同型の基本構成単位物質を扱う生化学工場から生産されるように
すべてのテンセグリティ・シェルターは
同型モジュール(=最小の構成単位)を扱う
デザインサイエンス工房から生み出される。

その工房はテンセグリティシェルターで覆われ
食糧、エネルギーを
同時的・非同時的に生産するコロニーを形成するための
共同性を備えている。

雲と泥のデザイン

脱獄の概念から
固体的概念からの脱獄は
生まれないように、

デザイン理論から
デザインサイエンスは生まれなかった。

デザインの総合化と
統合されたデザインの発見の違いのように、

デザイン・サイエンスと
デザインサイエンスとの違いには
雲泥の差(world of difference)がある。

泥は土と水とが混じり合って形成されるが
雲は植物の葉から蒸発した水分が
遠隔的に移動し、
そして
浮遊できるように
電気的に生成される。

デザインサイエンス教育

デザインサイエンスにはクライアントがいない。
科学的原理の探求にクライアントがいないように。

バックミンスター・フラーのデザインサイエンス教育プログラムは、
リダンダンシーを排除できないまま
「効果的なデザイン教育」をしている素振りを社会にプレゼンするような
堕落した教育産業的なサービスの義務から解放されている。

デザインサイエンス教育とは
<Trimtab>のデザイン方法の探求と共同性によるそのプロトタイプ制作である。

そのデザインサイエンス教育プログラムこそ、
『クリティカル・パス』の第6章のクリティカル・パス方から学ぶことができる。

『クリティカル・パス』バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 白揚社 2007

非・形態学(morphology)としてのシナジェティクス

テンセグリティによって
形態学(morphology)に飛躍をもたらした
シナジェティクスは
形態学からテンセグリティという
構造システムを発見したのではない。

前例のないこの構造システムをもっとも鮮やかに説明する
doing more with lessという方法は
可視的な自然の観察方法から発見できなかった。

シナジェティクスを
複数の異なったモデリングから理解すると
短時間に科学、数学と工学
そして教育制度の欠点を発見できるのは偶然ではない。

そして、お金と富の違い、
そして産業と銀行と有価証券の特徴と役割などの
経済学の基本さえも理解できるのは
人間が引き起こすdoing more with lessでない<アブノックス現象>を
自然の構造と比較できるからにちがいない。

シナジェティクスは
不可視の自然に対する
もっとも包括的なメタフィジックスである。
それゆえに
もっとも直観的で信頼できる非・形態学である。

Circuit Pattern Tensegrity by R.B.Filler

Fig. 1033.019
In Anthony Pugh’s model 12 struts form four interlocking but nontouching triangular circuits.
The plane of each triangle of struts bisects the vector equilibrium which its vertexes define.
Each triangle of struts is inscribed within a hexagonal circuit of tensors.

シナジェティクスとクロノファイル

どんな科学からでも
解釈可能な意味を生成する
最も単純な構造を
原理というならば
デザインとは
その意味と構造を
同時に調和させる直観的な方法だ。

シナジェティクスには
この方法をさらに増幅させる
クロノファイルという
タイムカプセルがある。

時系列的なタイムカプセルから
高度な経験の秩序化が生まれる。

梶川泰司

デザインサイエンス戦略 エネルギー+食料+テンセグリティ・シェルター

生き延びるために
食料代やエネルギー代を払い続けるという原理は
太陽系には存在しない。

バイオスフィアは
食料とエネルギーを
太陽エネルギーから変換できる唯一の場所だ。

そして
バイオスフィアの元素から
テンセグリティ・シェルターを個人が
アセンブルできる最良の場所だ。

化学的反応だけで
安全で完全なこのドメイン(=シェルター)は
最初にデザインされた
もっとも統合された既製品である。

モバイル先駆者

広場や公園、パーゴラ、
屋上のビオトープやグリーンハウス、
どれも背戸には繋がらなかった。
みんな緑のエコロジーに囚われすぎていた。

背戸(=バックドア)は
いつでも開いている広葉樹の森への入口だ。

このドアから入る
分解可能なモバイル・テンセグリティシェルターを
デザインしよう。

森は移動する樹木たちのコロニーだ。

無線、無軌道、無柱、無管の
フィジックスとメタフィジックスを
携えた先駆者たちの
緑を超えたエコロジー。

クリティカル・パス的思考

デザインサイエンスは過去に為された種々の実験と独自の実験から
導かれた次の科学的思考に基づいて
もっとも包括的な具体的な方法と人工物をデザインしてきた。

1.
人類の高い生活水準が、日々の太陽エネルギーからの多様な派生物で
完全に維持できることは明らかである。
2.
この生活水準を達成・維持できる手段が、
パイプと送電線そして料金メータを介した少数の人間による大多数の搾取から
人間を解放する人工物であることは明らかである。

クリティカル・パスはアンチ・アブノックスである。
(パイプと送電線そして料金メータは20世紀以後の最大のアブノックスである。)
結果的に、
上記の科学的思考はつねに最新のクリティカル・パス方を更新することができる。