有限要素法を使いたいがために
建築家と構造家は複雑な曲面のある高価な建築に挑戦する。
なぜなら、金持ちが喜ぶからだ。
http://aedesign.wordpress.com/author/christopherlawrence2009/
掃除機を使うために
部屋を汚す生活者がいるだろうか。
(この段階ではとうてい有限要素法はテンセグリティの機能を理解していない。)
必要な既製品がない場合にのみ
デザインサイエンスは方法という道具さえデザインする。
有限要素法を使いたいがために
建築家と構造家は複雑な曲面のある高価な建築に挑戦する。
なぜなら、金持ちが喜ぶからだ。
http://aedesign.wordpress.com/author/christopherlawrence2009/
掃除機を使うために
部屋を汚す生活者がいるだろうか。
(この段階ではとうてい有限要素法はテンセグリティの機能を理解していない。)
必要な既製品がない場合にのみ
デザインサイエンスは方法という道具さえデザインする。
デザインサイエンスには最長の学習過程が要求される。
超専門化過程だからではなく、
包括的な思考と実践に関わる修行期間は
少なくとも12年間である。
その修行に使用されるテキストは
『コスモグラフィー』,『 シナジェティクス』,『クリティカル・パス』
そして、バックミンスター・フラーの特許明細書である。
包括的理解には無数のシナジェティクス・モデリングが不可欠である。
しかし、シナジェティクス・モデルに関するテキストを最初に読むべきではないだろう。
映画のシナリオを読んでからだれも映画を見ないように。
テンセグリティには苦痛に満ちた破壊過程は存在しない。
あるのは人々の張力材の破断に対する局所的な反応と
リダンダンシーに対する無知である。
テンセグリティがデザインされるまえに
テンセグリティの定義が破壊されてきた。
テンセグリティの非破壊過程は
神秘を秩序づける自然の贈物だ。
バックミンスター・フラーには物事をなんでも一般化する悪い癖がある、
と多くの科学者は感じている。
(その場合、多くの科学者は彼ほど原理を発見していないという事実を忘れている。)
シナジェティクスを学ぶと、彼はこの習慣を
自然の原理を発見する方法から学んでいることが分かる。
ただし、その方法はけっして一般化できないが
観察からではなく、モデル言語から
習得できるかもしれない。
自動車は、人間が陸の軌道を移動するための道具である。
飛行機は、人間が軌道のない空を飛行するための道具である。
このような物理的な道具だけでなく、超物理的な道具も存在する。
情報は出来事の相関性を扱う超物理的な道具である。
数学はパターンを制御するシステムを具体化するための
超物理的な情報のシナジー的な組織化の方法を確立し、
人間を取り巻く物理的環境条件を有利に変える道具である。
数学は超物理的な道具である。
すべてを相互に関係づけるためのあらゆる物理的・超物理的な道具を
包括的に表す唯一の言葉は〈テクノロジー〉である。
すべてのテクノロジーは、一般化された物理法則に支配される。
デザインサイエンスはあらゆる領域のテクノロジーを習得する過程で
より包括的に言葉と道具、そしてそれらの組み合わせを探査し、
ついに無柱、無管、無線、無軌道のテクノロジーを発見し、
人間が軌道のない陸を移動するための道具をデザインした。
それは、テンセグリティシェルター(生活器)と呼ばれている。
テンセグリティ概念の懐胎期間を終えた現在、
テンセグリティー・システムの実用化は
21世紀のデザインサイエンスの最優先課題になっている。
テンセグリティー・システムの研究開発によって、
新たな形態の発見とその構造分析において信頼できる技術を獲得できたならば、
その構造力学的効率は、いくつかの構造実験によって示すことができる。
テンセグリティー概念は、
未だ構造デザインの主流には含まれていないが、
ついに個人用のテンセグリティシェルターの原寸大のプロトタイプは
ローコストで制作可能になったばかりか、
標準的な設計基準を効果的に満たすことができる段階に至っている。
標準的な設計基準とは、
99%の構造部材が既製品から構成されると同時に、
分解と移動が可能な超軽量のモバイル・テンセグリティである。
すべてのほ乳類は、住処は自分で造る。
形態は建築では静的であるが、
デザインサイエンスでは動的である。
建築家は動く家具はデザインしても
自動車や飛行機をデザインできない。
この違いは構造の軽量化とその安全性に表れる。
動的な機能はモジュールの発見に起因する。
例えば、固体的なプラトンの正多面体でさえ、
すべてシナジェティクス・モジュールから形成できる。
思考そのものが、全宇宙に関する人間の見当違いを自己訓練によって
如何に棄却できるかにかかわる場合、
その見当違いの多くは、モデリングによって証明されてきた。
そのプロセスは論理的とはいえない。むしろ神秘に違いない。
すべての道具が原子から形成されているのに
原子自体の内部構造を調べる方法は長い間難問であった。
構造の定義が発見されて半世紀も経過するのに
テンセグリティ構造に安全に個人が暮らす方法は
長い間疑問であった。
細胞のすべての構成要素が解明されているのに
テンセグリティ構造を調べる方法が
生物学者からは提案されなかった。
構造の最良の方法も発見を待たなければならない。
直観的にかつ概念的に公式化するモデリングでは、
想像力は最大限になる。