ハンマー投げ選手は、どんな物理学者よりも
90度のプリセッションのモデリングについて
精通している。
投稿者「synergetics」のアーカイブ
超軽量テンセグリティ・シェルター
予測されたように台風は巨大化している。
風速40mで人間は歩行できないばかりか、
空中に飛ばされてしまう。
時速200キロで走行する自動車は
約風速60mの風の抵抗を受ける。
しかし、風速120mの風でも吹き飛ばされない超軽量シェルターはデザインできる。
この構造にはテンセグリティ・システムのみが採用される。
圧縮材にはつねに圧縮力が、
張力材にはつねに張力がかかるようにデザインすることはテンセグリティの基本だ。
この場合に使用されるテンション材は、
弾性のあるゴム材などではないことは実験で確認できる。
出生率
21世紀の人口爆発は農村部ではなく都市部での貧困層で起こっている。
バックミンスター・フラーは、ワールドゲーム理論による長期的な統計調査で、
電気エネルギーの利用度の向上にしたがって、
出生率は低下することを発見した。
地球が自転している以上、地球の反対側では
交互に彫像できない電気エネルギーが捨てられている時間帯がある。
そして、人口爆発を制御するためのもっとも優先されるべき効果的な方法として、
全世界の農村と都市で、電気エネルギーの利用度を向上させる
全世界的な球状エネルギー・ネットワークの構築を提案した。
都市部に集中する33億人のなかで、より急増していく貧困層の人々は
つねに家賃と電気料金を支払うことができない。
出生率の低下のための手っ取り早い手段として
避妊具を無料配布することではないことは明らかだ。
しかし、国連では、最近人口の制御のために
住宅と避妊具の提供を計画している。
エネルギー・ネットワークの分断状態は、人口爆発の原因であるばかりか、
二酸化炭素の増加そのものだ。
そして、エネルギーネットワークの統合によって、
原子力発電所の建造はいっさい不要となるという
30年前の予測的デザインサイエンスの包括的解決方法は
ますます意味を持っている。
そしてこれが『自己エコロジー』(仮題)の主題である。
テンセグリティ(tensegrity)vs包括的進化論
バックミンスター・フラーはシナジーという言葉をつくったのではない。
薬学の専門用語に註釈を加えたわけでもない。
シナジーという概念を証明する物理的なシステムを発見したのである。
包括的デザイナーは科学者や哲学者よりも前に
普遍的な可視的「構造」を発見したのである。
それ以後のアカデミックな「包括的進化論」哲学のすべては
シナジーの註釈にすぎなくなった。
しかし、彼らはテンセグリティをシナジーの物質化とは考えていない。
彼らの書斎にいまだにテンセグリティモデルがない理由である。
包括的かつ洞察的デザイン
マグニチュード7.2(阪神大震災時)程度で破壊される
駐車中の自動車や飛行場に待機している航空機は存在しない。
そして、それらに耐震装置は付加されていないことに気づくだろう。
それらは、重量やコストが増加する建築テクノロジーから
構造がデザインされていないからだ。
包括的にしか生命を安全に移動させる道具を
デザインすることはできない。
ではなぜ静止した建築物が安全にデザインできないのか。
人々はまだ固体的な概念の牢獄にいるのだ。
そして、構造以上により包括的な地球環境を
どのように解決できるのか。
それを解決できるのは、少なくとも建築家ではないだろう。
バックミンスター・フラーが建築家でなかったように。
そもそも彼は建築家のライセンスを一生取得しなかったのは
包括的で洞察的な仕事に必要なかったからだ。
そしてデザインサイエンスのライセンスは
許認可の記号体系を支配する権力側からはけっして
発行されないだろう。
クリティカル・パスの定義
クリティカル・パスの定義は、モデル化可能だ。
クリティカル・パス方から
do more with lessの構造を排除した場合、
リダンダンシーを過剰にした機械的な最長経路のフローチャートにすぎない。
効率と速度を最優先した直線的な擬似クリティカル・パス方の特徴的な
結果である。
それは、グローバリズムに巻き込まれ、巧妙に分断された証拠でもある。
螺旋キノコ雲
台風やハリケーンは原理的にはダイソンの掃除機と同じである。
螺旋的な渦型の流体が回転し、
排気と吸気の連続的サイクルを自己組織したメカニズムを
維持するのは、太陽エネルギーか電気エネルギーかの違いがある
この作業仮説から、原爆にも排気と吸気があることになる。
強大な爆発の後に、吸引された建物の破片や水や
車、そして無数の焼けこげた死体はハリケーンのように回転しながら上空に運ばれる。
台風の排気の高さは高度1万メートルに達している。
(同時に乾いた上空の空気は螺旋を描いて下降する。)
キノコ雲は、正確に螺旋の回転体である。
高濃度に吸引された放射性物質は
こうして新しいタイプの積乱雲として移動した後に黒い雨になった。
これまでの黒いキノコ雲は外観のみの形態しか表していない。
現在ヒロシマ原爆資料館で上映されている
ヒロシマの上空で核兵器が爆発するCGのアニメーションは
この原理をまったく無視している非科学的なアプローチである。
透明なダイソンの掃除機を展示した方が
リアルに見せかけたCGよりも具体的で現実的である。
そして螺旋については物理学や生物学と同時に
シナジェティクスを学ばなければならない。
作用、反作用、そして
その結果(=合力)こそ相互作用の未知なるシナジェティックな現実がある。
『自己エコロジー』のシナリオ
「意味を為す代わりに金を儲ける」時間は残されていない重要な転換点にいる。
しかも人類がまったく未経験なカオスポイントだ。
1
誤った情報に基づく時代遅れの制度と既得権のための現状維持によるのではなく、
予測的なデザインによってより大きな社会問題を解決する発明の才が、
人間にどれほどあるのか。
2
深々と根を下ろした古い思考パターンと先入観を投げ捨てるには、
どれほどの決断力を集中させなければならないのか。
その選択肢の行使に繋がる積極的な最初の一歩を踏み出す勇気が、個々
の人間にどれほどあるのか。
3
個人がそれぞれ実行しなければならないことは何か。
について、1982年の最晩年のバックミンスター・フラーの科学的な
ワークショップと講義をまとめたものだ。
このノートや映像は私のクロノファイルに保存されたままであった。
フラーの豊富な統計資料に基づいた論証は『自己エコロジー』(仮題)という250程度のページの本になるだろう。
『宇宙エコロジー』(美術出版社 2004)に次ぐ、メタフィジクス論でもある。
編集者は、可能なかぎりオリジナル原稿にそった方法序説を
具現化し、直接的な思考と軌跡を分かりやすく
読者に届けるためのシナリオを検討をはじめた。
skyという閉じた空間
バックミンスター・フラーがskyという言葉を使用する場合、
その意味は3通りあるだろう。
skyとは、
1.
Sky-Oceanは Airoceanであり
浮遊する都市(Floating City)は、
衛星都市(Sky Dwellingであり、 Habitable Satellite) である。
つまりskyは大気圏を意味する場合。
2.
コンラート・ローレンツの発見した<アクアリウム>のように
skyはバイオスフィアそのものであり、地球システムが含まれている場合。
3.
上・下の概念を伴った<天国>を意味するskyを
牢獄的システムとして批判する場合。
1と2の閉じた空間と違って無限の空間を伴う3番目の概念は、
太陽は東から昇る(Sun Rise)と考えていた時代に考えられた。
そして、Your Private Skyを「きみだけの空」と翻訳してしまった人は
エデンドームやバイオスフィア計画の初期の概念(1927,1949)の歴史性を逃している。
間違った翻訳にも歴史性がある。
高度資本主義消費社会の末期的な「きみだけの空」は、
「 Think global, Act local」(2000年のローマクラブの標語)
とセットで広く誤解された概念である。
エコロジーに所有の概念を結合させることは軍事的以上だ。
Your Private Skyとは、ジオデシック・テンセグリティ構造で包囲された
個人のための小さな透明なバイオスフィアのことである。
シナジェティクスでは、こうしたプリミティブな
言語と形態、そして概念とモデルの相互関連を
包括的に探査する。
参考書籍
『バックミンスター・フラーの世界』J.ボールドウィン 美術出版社
『宇宙エコロジー』バックミンスター・フラー+梶川泰司 美術出版社
ジオデシック・ドーム
一回の飛行で輸送と設置ができ、アメリカの南極基地の直径43メートル、
床面積1400平方メートルの、
ステンレス鋼とアルミニウムでできたジオデシック・ドームは
風速120m以上のブリザード(極地に見られる暴風雪)に耐えられるばかりか
完全に雪に埋没したときの積雪荷重に耐えられる。
つまり雪かきのまったく不要な構造を
どうして日本の豪雪地帯に建造しないのか。
同時にこれ以上の経済的な耐震機能を備えた空間構造は
建築テクノロジーには存在しない。
極地での日常的な頻度で発生する非常事態が、
建築ビジネスではないだけである。