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不連続の連続という概念について

構造の完全性の状態に到達するために、
無生物であるテンセグリティが
構造とパターンを自ら変容する場合、
張力の連続性が起因しているはずである。

<不連続の連続>の概念を量子力学では視覚化できなかったが、
テンセグリティは、モデル言語を生成する概念モデルだけではなく
<不連続の連続>のに関わる構造とパターンをはじめて視覚化したのである。

バックミンスター・フラーは、テンセグリティを発見した後に、
<不連続の連続>の概念を形成したのではないが
不連続の連続を現実化する構造とパターンが、
外力の連続的な分散機能を形成する重要な事実は、
テンセグリティモデルの発見によってもたらされたという視点こそ
テンセグリティの歴史的な誕生なのである。

1988年、私は当時のバックミンスター・フラー研究所のクロノファイルから
その起源を確認した。
同時に、そのクロノファイルからテンセグリティの歴史的な概念の誕生に、
ケネス・スネルソンはまったく関与できていないことも証明できる。

クロノファイルからのバックミンスター・フラー研究は、
21世紀の先進的な<構造とパターン>学にとって尽きない課題になっている。

主観的エコロジー

エコロジーの起源は、ダーウィン一派の適者生存説を推進していた動物分類学の権威ヘッケルにより、生物学の一専門分野として創設されたにすぎない。

科学で偽装したエコロジーは先験的主観性が決定的に不足している。

人類にとって、主観的エコロジーとは、
水、食料、エネルギー、住居の4つの要素からなる
他人を犠牲にしないテクノロジーの総体である。

最小限の方向舵(trimtab)

自分自身の経験に基づいて判断された真実に
最も鋭敏な直観のみで反応していくにしたがって
モバイルシェルターを所有(あるいは設計・制作)し、
天頂部までの星空を見ながら生活することが
その直観的な意識をより拡大する
もっとも効果的な最小限の方向舵(trimtab)であることに気づくだろう。

私の場合は、その気づきはシナジェティクスへの序章だった。

独自で自律したシナジェティクスの研究には
キッチン+バス・トイレのあるモバイル・シェルターはもっとも有用だ。
不要な生存条件を削ぎ落とした内部空間は、
野生の思考を始動させる宇宙と自己とを媒介するための
最初の環境制御装置なのだ。

自然の構造

自然の構造は、
それ自体を通過するエネルギーによって
構造の強度と剛性をより増加させる機能を自動的に形成する。

権力構造もまた、
権力自体の行使によって構造自体を強化し
自然の構造の永続性を模倣しようとするが
権力者の意志と目的が生む放射エネルギーが
つねに介在することで
非・自然として存続する。

平均的な革命

 「宇宙はテクノロジーである」そして「物理的宇宙は、
それ自体がすべてのテクノロジーを生み出している。」

このフラーの確信によって、
あらゆるエネルギーの無料化を達成できるテクノロジーを
支配する世界権力機構が科学者フラーを徹底的に孤立させた。

なぜなら、すでに発見された宇宙のテクノロジーに依存すれば、
「個人が必要とする(もの)はすべて、すでに支給されている」
という事実が露わになるからである。 


『宇宙エコロジー 』平均的な革命 梶川泰司 2004
(バックミンスター・フラー+梶川泰司=著 18、19ページ)

自己同型性(モジュール化)

構造は、圧縮力よりもはるかに張力によって制御され
張力は、その圧縮力によって個性づけられる相互関係を形成する。

それによって、圧縮材のみが外力に対抗する段階が完全に消失する。

圧縮材と張力材のそれぞれの自己同型性(モジュール化)は、
構造の統合力の現れであり、その物質的手段なのだ。

構造のモジュール化を形成するのは、
対称性に関わる数学であり、エンジニアリングである。
つまり、シナジェティクスへと接近する。


レゴ(=LEGO)は、物質構造のモジュール化に失敗したもっとも貧弱な自己同一性の教材である。)

広大無辺に拡がった虚無という企て

貨幣経済学が、自然資本(海による膨大な二酸化炭素の吸収力や酸素や水など)と
自然エネルギーを貨幣価値に換算しようとしないのは、
宇宙とは広大無辺に拡がった虚無ではなく、
統合されたテクノロジーの集積であるという現実を隠蔽したいからだろう。

さらに、GNPの公的部門から外的コスト(公害対策費など)をすべて隠蔽する行為も、
1980年代から贈与経済学を完全に隠蔽してきたのも同じ動機だ。

シントロピーは、
広大無辺に拡がった虚無という人類の企てを無価値にする
非人格的な宇宙のテクノロジーである。

エコロジーの起源

科学で偽装したエコロジーは先験的主観性が決定的に不足している。
エコロジーの起源は、
ダーウィン一派の適者生存説を推進していた動物分類学の権威ヘッケルにより、
生物学の一専門分野として創設されたにすぎない。
エコロジー理論は
明らかに地球外エコロジーを除外した歴史を引きずっている。

水耕栽培技術は、陳腐化された不完全な食料生産技術であり、
汎用的な太陽系テクノロジーではなかった。

現在、火星での食料生産には地球の<土壌>を運ぶのがもっとも科学的な方法である。
最新のエコロジー理論は、自然には到底及ばなかったのだ。

エコロジーの起源は、依然、未知な宇宙である。

人工物(artifact)とは何か

生存するには非生産的すぎるこれまでの
人工物(artifact)とノウハウのほとんどは、
権力構造に属する人間が考案した適者生存の産物である。

鯨の海洋ネットワークは、哺乳類の人工物(artifact)である。

その鯨のネットワークに比較すれば「電力と情報のネットワーク」さえ、
抜け目なく課金するための分断された局所的なネットワークである。

アンチ・プロダクトデザイン再考

デザインサイエンスから学んだことは
経験の目録全体が同じでも、
経験を系統立てて述べる方法は絶えず少しずつ変化し、
思考過程に他者が参加すれば、常に自発的な思考が継続できることにある。

デザインサイエンスとプロダクトデザインとの違いは
すべての方法は目的意識(=know why)が先行することにある。
デザインサイエンスに、プロダクトデザインコースは存在しない。

自分が関与したい領域のすべての知識と手法(=know how)を学んでから
目的を達成するデザインを形成することが
もっとも効果的だと思考する疑似<システム>は
シナジェティクスにも存在しない。