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シナジー vs 動的平衡

生物学が<動的平衡>の概念を発見するはるか前、
そして1944年にシナジェティクスが
<ベクトル平衡体モデル>を発見する以前の1927年、
既にバックミンスター・フラーは
圧縮材が不連続であるテンセグリティモデルを発見していた。

<動的平衡>の概念は
複数のシナジェティクスモデルに変換されてきた。

シナジェティクスでは
<動的平衡>を形成するすべての作用を
<シナジー>と呼ぶ。

☆Fig. 465.03 Rotation of Four Axes of Vector Equilibrium: Articulation of Eight Triangular Faces.
by SYNERGETICS 1975, RBF

ノウハウ (know how)からノウホワイ(know why)へ

Cosmic Integrityを科学的にも証明できるとするのが
シナジェティクスであるが、私は、シナジェティクスを学ぶ前に
数学が深く関与するはずだと考えられたのが一番リアリティがあったから、
バックミンスター・フラーと研究する場を共有できた。
しかし、そのリアリティをさらに具体的な形にするには当時の私には
数学的知識があまりにも不足していた。

だれでも現実を肯定して、考えることを考え始めざるを得ないと考えている。
与えられたすべてのデフォルトを受容する態度は
royal(王権)のデフォルトを排除する機会を失ってしまうだろう。
リアリティ(reality)は、 royal(王権)の名残りに今なお閉じられているからだ。

分断された異なった自己が統合されるには、
局所的な個人のそれぞれの挑戦と失敗が必要だ。

ノウワット(know what=目的意識)ばかりでは、ノウハウも発見も生まれない。
目的意識は簡単に捏造できる。
ノウハウ( know how=技術知識)ばかりでは、何も発見されない。
技術知識は独占されやすい。
ノウホワイ(know why=理由・動機を知っていること)には、国家や大企業、教育組織は無関心である。

個人は、ノウホワイを生得的デフォルトから自ら発見できる。

同時に、ノウホワイからノウハウとノウワットを分断する境界線を消去できる重要なオペレーションが生まれるはずである。

know whyは教育不可能であるという理由から、教育課程では完全に除外されているが、私は、バックミンスター・フラーからknow whyについてもっとも対話できた。
バックミンスター・フラーは、知識よりも概念を優先していたからである。
概念デザイン( prime design)は共有することができた。

偉大な師は、know whyをデザインサイエンスとシナジェティクスに リンクしたまま、去ったのだ。
(友人のシナジェティクス研究者ロバート・グレイ(Robert Grey)が立ち上げたサイトで、バックミンスター・フラーのシナジェティクスの原書のテキストと図版からいつでも自由に学ぶことができる。)
http://www.rwgrayprojects.com/synergetics/synergetics.html
このリンクを理解するには学校(建物)と教師は不要だ。
100ドルパソコンと辞書でモバイルするときが来たのである。

2006/11/27  シナジェティクス研究所 梶川泰司