デザインサイエンス(バックミンスター・フラー)」カテゴリーアーカイブ

テクノロジーの起源

どんな生命にも容認される方法で
基本的な環境の変化に適切に意識的に関与できる
テクノロジーを人間はつねに発見してきた。
「宇宙はテクノロジーである。」RBF

この神秘に驚嘆することから科学は始まるだろう。

しかし、それを容認できない超専門家たちを
生み出しているシステム
つまり、テクノロジーこそは
人間が創り出した頭脳の産物だと考えている集団が
イデオロギーに無関係に存在することは
じつに驚異である。

グランチは
頭脳明晰な若者から
神秘からの真の動機付けを破壊する
心理学の超専門家を抱えている。

2011年度 デザインサイエンス講座開講の準備 その1

太陽光から直接得られた電力のみによるパリからイギリスへの飛行には、
ドーバー海峡横断飛行に使用された
人間の筋力を動力とした翼長29mの人力飛行機
(炭素繊維アロイの構造とマイラー製の皮膜の総重量は32キログラム)が
最初にデザインされなければならなかった。

自然エネルギーの使用には、
doing more with lessによる
機能に対する重量の劇的な軽量化が絶えず要求される。

デザインサイエンス講座(☆註)では、
この40年前の科学的方法を
テンセグリティ・シェルターに適応させるための
複数のシナジェティクス原理の包括的理解から始まる。

☆註
原則としてデザインサイエンス講座は、
シナジェティクス入門講座を履修した講座生、
および
シナジェティクス・ワークショップの参加経験者を対象にした実践的講座。

デザインサイエンスは緊急時を待たない

われわれが包括的(comprehensive)に思考することは稀である。
21 世紀の惑星地球人は予測できなかった局所的な残酷さに
脅えはじめている。
恐怖心から問題を理解できても解決策は見つからないだろう。
問題を専門家が独占しているかぎり。

デザインサイエンスは緊急時を待たない。
デザインサイエンスは、緊急時のためのテクノロジーに備えるのはなく
目的論的テクノロジーに自発的に対処する。

自発性こそは、
緊急時の道具に包括的なデザインが反映される唯一の方法である。

包括的とはつねに全方向的である。  梶川泰司

デザインサイエンス(Design Science )の機能

“The function of what I call design science is to solve problems
by introducing into the environment new artifacts,
the availability of which will induce their spontaneous employment
by humans and thus, coincidentally,
cause humans to abandon their previous problem-producing behaviors and devices.

For example, when humans have a vital need to cross the roaring rapids of a river,
as a design scientist I would design them a bridge, causing them,
I am sure, to abandon spontaneously
and forever the risking of their lives by trying to swim to the other shore.”

R. Buckminster Fuller, from Cosmography

『コズモグラフィー』(バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 白揚社 2007)

最新のテンセグリティ・シェルター(生活器)

現在の世界中の工学理論において
連続的な圧縮力と二次的な張力から成る構造を置換するために
バックミンスター・フラーによって、
この惑星〈地球〉に導入された
最初の連続的な張力と不連続な圧縮力による宇宙の構造原理
がプロトタイプとしてデザインされたのは1929年である。

政治権力が使う兵器(weaponry)と対比させ、
生活器(livingry)として認識されてすでに80年が経過する。

テクノロジーによる環境の改良に関する代替プログラムを現実に展開する際に
何が効果的にできるのかを確かめるための、
互いに遠隔に住む個人の包括的理解を最優先したシナジェティクス入門講座を
開始して来年度は5年目を迎える。

同時に、
シナジェティクス入門講座を経たデザインサイエンス入門講座では
バックミンスター・フラー以後の最新の生活器の概念を
具体的なプロトタイプとして公開する時期でもある。


Tensegrity Tetrahedron with “Me” by R.B.F

続SNS

プロトタイプを無料で公開する方法は
バックミンスター・フラーの1944年のエネルギー自立型金属住宅
ダイマクションハウスに始まる。
第2次世界大戦の終結が見えたと同時にアメリカ後期産業の衰退から戦闘機の製造システムが
すべて払い下げになる冷戦前夜の状況からこのプロトタイプが生まれたのである。
そして、R.B.FのデザインサイエンスとSNSとの違いは
見えない法律家資本主義を批判するアンチ・アブノックスを展開したことである。

■ 無線(電力有線ネットワークからの自律)
■ 無軌道(分解移動型で空輸可能、土地不動産からの自律)
■ 無管(上下水道からの自律)の住宅デザインは、
最新の仮設住宅でさえ到達していない。

ライフラインの無料化をインストールしたダイマクションハウスこそ
量産住宅という生存に直結したサービスシステムを含む最初のプロトタイプであった。
つまり、
真のアプリとはハードシステムと不可分であり、その包括性こそが
法律家資本主義の利権を脅かすことができる。

同じ理由から住宅に使用する本質的な燃料電池の開発は
意図的に遅らされているのである。
原発が二酸化炭素を排出しないという疑似エコロジーの支配と共に。

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参照

SNS http://two-pictures.net/mtstatic/

グランチについて

バックミンスター・フラーは死の数ヶ月前に次の言葉を残している。

「北アメリカ大陸のアメリカ領内にある産業界のあらゆる工場とアメリカの領土、
そして物理的な富の生産能力があって実際に生産するあらゆる企業の九十パーセントは、
スイス銀行にある口座の見えない暗証番号を保有する人間によって目の届かないところから支配され、
冷酷に機能する超国家企業という、
人間には見えない所有物にすでになってしまったかまたはなろうとしている。」

ほとんど何のリスクも負わない資本主義という新たな巨人が、
現在の世界を支配しはじめていることを
バックミンスター・フラーは30年前に予想していた。

その彼が個人に期待し、何をして欲しかったかは、
『クリティカル・パス』(バックミンスター・フラー著 梶川泰司訳 白揚社 2007)
の第6章のワールドゲーム理論およびデザインサイエンス戦略に凝縮されている。

目的論

シナジェティクス研究所のデザインサイエンス講座は
バックミンスター・フラーのデザインサイエンスの非公開のノウハウや
クリティカル・パス法を知るためではなく
それらを使って実践するための講座である。

デザインサイエンスのクライアントは宇宙である。
目的論なくして、知ることはほとんどないだろう。

再生的・普遍的デザイン

世界的な不況に対する条件反射で
人々にお金がなくなっている危機感だけが増大している。
これは 20世紀の経済システムによる洗脳の結果である。
つまり、誰かの富は誰かの借金である会計システムは
理解されないようになっている。

人口増加にもかかわらず、
すべての人間に十分なエネルギーと食料がある以上、
経済不況という概念は時代遅れである。

地球惑星のすべてのエネルギーと食料は
太陽エネルギーの変換から形成されているという
再生的宇宙観は、
20世紀に発見された科学的思考である。

科学的思考は不変的(=普遍的)である。
普遍的とは地球規模のグローバル(global)ではなく、
ユニバーサル(universal)である。

デザインサイエンスは
再生的宇宙に適応したユニバーサル(universal)な道具をデザインする。

エコロジーを統合するシナジーの超物質的な概念は
物質的な道具に変換可能である。