すべての道具が原子から形成されているのに
原子自体の内部構造を調べる方法は長い間難問であった。
構造の定義が発見されて半世紀も経過するのに
テンセグリティ構造に安全に個人が暮らす方法は
長い間疑問であった。
細胞のすべての構成要素が解明されているのに
テンセグリティ構造を調べる方法が
生物学者からは提案されなかった。
構造の最良の方法も発見を待たなければならない。
すべての道具が原子から形成されているのに
原子自体の内部構造を調べる方法は長い間難問であった。
構造の定義が発見されて半世紀も経過するのに
テンセグリティ構造に安全に個人が暮らす方法は
長い間疑問であった。
細胞のすべての構成要素が解明されているのに
テンセグリティ構造を調べる方法が
生物学者からは提案されなかった。
構造の最良の方法も発見を待たなければならない。
ピカソの偉大さに感動して、絵描きになりたいと思う人は
ピカソの絵を所有したいとは思わないだろう。
しかし、ジオデシック・テンセグリティの原理だけではなく
その実用性と経済性に感動したら、
だれでも自律的構造の機能を自ら再現して
生きるための道具にしたいと思うだろう。
すばらしい「製品を所有する」から、
「宇宙の機能を再現する」ことに時間とお金を使うだろう。
宇宙には人類がまだ利用していない「構造とパターン」が無数に存在する。
テクノロジーは企業が作り出すモノではないということが
理解され始めた。
(酸素や石油を備蓄したのはバイオスフィアである)
テンセグリティの圧縮材は互いに非接触である。
なぜか。
圧縮材が互いに接触することは自然ではないからだ。
自然が非物質化のために共鳴する場合、非接触を選択する。
エラスティックな素材のテンション材で構成されたテンセグリティでは
圧縮材は外力を受けると互いに接触する。
自然界で原子核が互いに衝突するのは核分裂の時である。
テンセグリティは。
本当の美がわかるかを知りたいために再現するモデルではない。
単純化の極限において、自然が採用する方法を人間が自発的に発見し
物質の合成過程に汲み上げることができるかどうかである。
4つの出来事の間には6個の関係がある。
中心を含めた5つの出来事に間には
10個の関係がある。
これらは4面体状(4vertexia)のテンセグリティ構造を形成する。
こうしてシナジェティクス研究所の基本機能の動的な相互作用は
デザインされた。
この機能は今後100年間モデルチェンジしないだろう。
http://synergetics.jp/3Dmenu_top.swf
現在のテンセグリティには2種類ある。
危険なテンセグリティと
安全なテンセグリティと。
前者はケネス・スネルソンが得意だ。
後者は破壊されながらも動的な均衡を維持できる。
バックミンスター・フラーはテンセグリティをいつどこで発見したのだろうか。
これまでこの疑問に答える明確な書物はなかった。
みんな情報の受け売りだった。
それゆえに、人々は現在も活動しているケネス・スネルソンの発言を重んじてきた。
構造の歴史において、
もっとも重要で単純なこの事実を
当時ロサンゼルスからサンタバーバラに移転した直後の
バックミンスター・フラー研究所のアーカイブの膨大なクロノファイルに分け入ることで
ついに閲覧し、確認する機会がやってきた。
1986年、バックミンスター・フラー研究所主催の最初のシナジェティクス講義と
ワークショップの講師として滞在していたときのことだ。
スネルソンとの往復書簡にその詳細な記録が記されていた。
1949年、バックミンスター・フラーはブラックマウンテン大学で、
最初の球状テンセグリティモデル(6 struts tensegrity)を制作している。
驚くことにスネルソンの目の前で、
圧縮材が互いに非接触で、不連続なテンセグリティは
地球上で最初の共鳴構造を顕わにした。
しかし、それは若者に純粋な原理に遭遇する苦しみが始まった瞬間だった。
I wish you hadn’t discoverd that.
If you had produced it, I would have acclaimed you ever more.
これはフラーの最初のテンセグリティのモデリングが完成した瞬間に
スネルソンがフラーに投げつけた言葉だ。
彼は歴史的発見を受け入れられなかったほど混乱している。
テンセグリティを作品化しする才能が
テンセグリティを産業化する才能と重なる必要はないが、
原理の単純さのまえにして、晒される芸術家の自惚は度し難い。
他者によるテンセグリティ原理の発見の瞬間に共鳴できなかったスネルソンは
この手紙の公開をもっとも怖れているに違いない。
しかし、スネルソンの言説が
テンセグリティの構造としての有用性を信じていない
超専門分化の代弁者に仕立てられていることの方が深刻だ。
あらゆるジオデシック・ドームは、
人間の認識範囲で張力材と圧縮材の区別ができるかどうかにかかわらず、
テンセグリティ構造である。
ジオデシックドームは
構造を構成する圧縮材とテンセグリティにはない
ジョイントの各構成部材数が増加すると同時に、
テンセグリティの振動を伴う共鳴が減衰した状態である。
非物質化した構造とパターンが、
振動と共鳴を制御するテンセグリティにおいて、
振動と共鳴は、構造の剛性と強度を犠牲にしない
超軽量化のためのmore with lessである。
物事の見方、考え方、そして定式化の方法において、
紀元前25世紀に幾何学的第1種の〈固体(solid)〉という概念を展開した。
しかし、プラトン学派とその系譜が定義した多面体群は、
いずれの線も同一の点を同時に通過しない
非固体的なテンセグリティに変換できる。
結晶は多面体ではない。
結晶でさえその原子群は振動して熱エネルギーをもっている。
固体的かつ非共鳴的な多面体は、間違った定義によって生じる物質感(=リアリティ)である。
テンセグリティが究極の構造の一般化された原理であることが発見された後に、
多面体ではなくテンセグリティによって
構造は、はじめて定義された。
中身の詰まった固体的な多面体を折りたたむことはできないが、
テンセグリティは折りたたむことはできる。
このテクノロジーに到達するために、
数千年間の概念の恐るべき牢獄期を経由しなければならなかった。
この単純で巨大な空洞をいまだに埋めることができない。
固体的かつ非共鳴的な物質観の起源の分析よりも
テンセグリティの懐胎期を加速するのは
シナジェティクス・モデル言語の理解である。
シナジェティクスの唯一の入門書は、
『コスモグラフィー』シナジェティクス原論
バックミンスター・フラー著、梶川泰司 訳 (白揚社 2007)
バックミンスター・フラーの最後の遺作(1983)となった。
水素にも酸素にも水を予測させる要素と情報はいっさい存在しない。
テンセグリティを構成する圧縮材にも張力材も
テンセグリティの構造安定性を予測させる情報はいっさい存在しない。
テンセグリティの構造安定性は
破壊実験からのみ知ることができる。
原子核の理論的な構造安定性(質量欠損)が
アラモゴードの原爆実験から証明されたように。
テンセグリティを理解するには
同じ条件でテンセグリティモデルを
少なくとも2つ制作しなければならないだろう。
リダンダンシーを排除しても
可能な限り破壊に耐える理想的なテンセグリティモデルの
破壊と創造のために。
テンセグリティに誰でも惹かれるのは
重力に逆らっているのではなく、
別の引力を利用しているからだ。
引力とは、他の質量から受ける万有引力である。
しかし、重力も引力も同じ張力だ。
われわれはもっとも軽い存在(質量0、電荷0、寿命無限大)によって
統合される存在なのだ。
万有引力は、「二つの物体間に働く引力であり、
その二つの間の距離とそれぞれの物体に応じて働く力」である。
「引力を生じるのは物体に質量がある」という物理学の再帰的な論理から
脱出できるばかりか、
テンセグリティはその質量欠損の起源にも関与しているだろう。
なぜなら、原子核が陽子と電子だけではないように、
テンセグリティは棒とひもではないからだ。