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テンセグリティと表面

張力は表面に移動しやすい。

さもなくば、内部に進入して圧縮的な外部によって包含されるかのどちらかである。

例えば、竹の青い部分の表皮は内皮以上に張力を生成するように
繊維の強度高くなる。繊維のと密度が、竹の弾性を支配している。
そして内部の文節的な円筒状の空洞化によって、構造はさらに強化される。

人類などの脊椎哺乳類は、筋肉や腱という張力材を外部において
むしろ骨格という圧縮材を保護し、
張力材によって圧縮材を相互に連結する。
人体学習用の骨格モデルのように、圧縮材だけでは自律しない。
骨格モデルは固体的すぎて非現実的だ。

固い圧縮材は主に内部に形成されるが、
頭蓋骨だけは、柔らかい脳髄を密閉して外部から固く保護しているように見えるが、
縫合によって外力と応力を分散し頭蓋骨の直径の成長を調節している。

一方、高圧の海底を移動する蟹などの甲殻類は、固い殻で張力と内部の内臓を保護した。

現代のハイテクを代表する固二足歩行ロボットのメカニズムは、
節と関節で構成されるリンク機構であり、関節はモーターで駆動される。
リンクとは剛体による構造物のことである。

ロボットの固いモノコック的な外壁は、こうしたメカニズムの保護と固体的な剛体をつくり出している。

しかし将来、剛体的な構造物はテンセグリティ構造にとってかわるだろう。
柔軟な強度をもったテンセグリティシステムは、高度に単純化された宇宙の原理であり、
やがてもっとも進化したハイテクロボットの運動原理として受け入れるだろう。

なぜならわれわれの人体は、骨格と筋肉という相補的な構成要素から
つくられたテンセグリティ構造だけではなく、
すべての細胞が、すでにテンセグリティ構造として
自律的な最小単位の集積から形成されているからである。
人体の強度は、筋力以上に細胞レベルのテンションに依存している。

そして動脈と静脈、それから無数に枝分かれし
組織に網の目のように張り巡らされた毛細血管は、
圧力調整によって骨格に代わる圧縮の機能を形成しているのである。
毛細管の総長は地球を2周半もあるが、テンション・ネットワーク、
つまりテンション材の総長はそれをはるかに凌駕する。

これこそは、全体構造をより軽量化しながら
なおも強度や剛性を高めるための原理だ。

これはシナジェティクス・モデルから証明可能だ。

科学・技術史

科学・技術史を編纂するアカデミズムの科学史家たちは
実はジレンマに陥っている。

たとえば、長岡半太郎の原子核モデルが、
ニールス・ボーアより早く概念化されているにもかかわらず
世界の科学史に異論を唱えられないような立場が
国境別の科学史家に生じているからではなく、
科学史に残るほどの重要な発明発見ほど、
大学の外で成されてきたからである。

主要産業国が個別に作成した科学・技術史を比較すれば、
より明確に資格のない科学者や発明家たちによって
形成されているのがわかるだろう。

マンハッタ計画に参加し、アラモゴードで原爆を技術的に可能にした
発明家の一人はイギリスで原爆製造に関する最初の特許出願をしている。
科学・技術史ではこうした事実こそ抹消されたままだ。

この惑星の教育課程では、真実に基づいた科学・技術史は
けっして公開されない。
公開された歴史は、戦争映画のように編集されているだろう。

教育を、ひたすら貨幣のように資格を発行する機関に求めた代償は
発見・発明を自己評価する独創性をつねに減らすことになった。

発見・発明は個人によってのみ実現できるにもかかわらず、
世界権力機構(=グランチ)によって独占されるのは、
個人こそが真の産業上の膨大な利益を生んできたからである。

その結果、事実は分断され、破壊され捏造されている。

(追記;それゆえに、真の構造(テンセグリティ構造)の歴史を
編纂するアカデミズムの科学者はナノチューブの研究者を含めて存在していない。)

超軽量テンセグリティ・シェルター

予測されたように台風は巨大化している。
風速40mで人間は歩行できないばかりか、
空中に飛ばされてしまう。

時速200キロで走行する自動車は
約風速60mの風の抵抗を受ける。

しかし、風速120mの風でも吹き飛ばされない超軽量シェルターはデザインできる。
この構造にはテンセグリティ・システムのみが採用される。

圧縮材にはつねに圧縮力が、
張力材にはつねに張力がかかるようにデザインすることはテンセグリティの基本だ。
この場合に使用されるテンション材は、
弾性のあるゴム材などではないことは実験で確認できる。

テンセグリティ(tensegrity)vs包括的進化論

バックミンスター・フラーはシナジーという言葉をつくったのではない。
薬学の専門用語に註釈を加えたわけでもない。
シナジーという概念を証明する物理的なシステムを発見したのである。
包括的デザイナーは科学者や哲学者よりも前に
普遍的な可視的「構造」を発見したのである。
それ以後のアカデミックな「包括的進化論」哲学のすべては
シナジーの註釈にすぎなくなった。

しかし、彼らはテンセグリティをシナジーの物質化とは考えていない。
彼らの書斎にいまだにテンセグリティモデルがない理由である。