テンセグリティ構造の探査方法

圧縮力の心配によって<構造とパターン>を乱し
張力の心配によってシナジーを疑う人々が
テンセグリティのPCによるシミュレーションからはじめるのは
計算主義の気安めと依存からである。

航空力学はライト兄弟の飛行実験の成功以後に作られている。

航空機の構造よりもテンセグリティ構造は
水素原子のように、宇宙空間ではありふれた構造である。

シナジェティクスなきシミュレーションから
人類の有用な<構造とパターン>は発見されないだろう。

共鳴型テンセグリティモデルの制作による
モデル言語の習得なくして構造とパターンの理解は得られない。

バックミンスター・フラーが望んでいた共鳴型テンセグリティモデルは
インターネット上にほとんど存在していない。

形態の愛好と模倣はシナジェティクスには無縁である。

トラス構造の相補性について

トラス構造は常に全面的に自由であるか
あるいは、
常に全面的に自由でないか、そのいずれかである。

完全な12方向の自由のためには、軽量化と剛性化が達成されなければならない。

同時にそれらが達成された理想的なトラス構造では
その構造を構成する4面体と8面体のモジュールの構成比は1:1である。

自動車や航空機、そして住宅の
壁や床は、まだ科学的に構造的ではない。

秩序とシナジェティクス

科学者は、「混沌から秩序をもぎ取る」と言われてきた。

科学者の物理的な実験によってこれまでわかったことは、

自然の先験的な秩序または

科学者の自身の作業仮説を発見させた優雅さで

つねに作用している宇宙に比べると

彼らのもぎ取った秩序はつねに粗雑に見えるということである。 

幸運にもその粗雑さを免れて優美さを備えたまま発見された

シナジェティクスモデル群のなかにテンセグリティモデルがあるが

明らかにその優美さは宇宙に属する。

モバイル・テンセグリティシェルターの居住実験

圧縮力の心配によって<構造とパターン>を乱し
張力の心配によってシナジーを疑う人々は
テンセグリティのPCによるシミュレーションからはじめる。
リスクのない計算主義の気安めと依存から
人類の有用な<構造とパターン>は発見されないだろう。

共鳴型テンセグリティモデルの複数回の制作による
モデル言語の習得なくして
動く<構造とパターン>の理解は得られない。

航空力学がライト兄弟の飛行実験の成功以後に作られたように
モバイル・テンセグリティシェルターの居住実験の成功なくして
モバイル可能なテンセグリティ構造の動的な構造力学は完成しない。

モバイル・テンセグリティシェルターの居住実験に使用される縮小モデルには、
縮小されないすべてのモバイル用のテンセグリティ機能が備わっている。

シナジェティクスのデスクトップ理論

宇宙で起こることは
稀に机のモデルでも起こり得る。

非同時的だが
宇宙は一つしかないからだろう。

シナジェティクスモデルに機能が再現できるのは
機能は縮小しても変わらないからだ。

シナジェティクスのデスクトップ理論は
バーチャルではない。

斥力テンセグリティ

圧縮力は
主観的には、ある種の反作用による反発力のように感じられ
拒絶であり、嫌悪を意味してきた。

張力もまた、ある種の引っ張りによる引力のように感じられている。
主観的に引き合う力は、より人間的に理解される。

テンセグリティにおいては
引力も斥力も非同時的に存在する。

テンセグリティは斥力によっても統合されている。
斥力テンセグリティは、もっとも馴染みがない。

モバイル・ハードウェア

テンセグリティ構造が
第2次世界大戦後の冷戦構造下で生まれ
弾道弾迎撃ミサイルの開発と高度なモバイル兵器システムとしてのイージス艦と共に
動かぬ重厚な<砦>の歴史が終焉したときに
モバイル・シェルターが量産されていくのは、偶然ではない。

デザインサイエンスでは
<間違った理由で正しい事が行われる>までの期間を懐胎期間としている。

モバイル・テンセグリティシェルターのプロトタイプ制作は
都会の小さなスタジオだけではなく
山間部を移動し停泊するキャンピングカーのなかでさえ可能である。

自動車と家電のすべての加工組立工場が世界中に分散した結果
個人が住みたい場所での仲間とのアセンブル作業しか残されていないのである。

そして、もっとも革命的なことは
プロトタイプにしても、量産型しても
その価格差はますます縮小されているテクノロジーの革命がある。

スタジオの裏庭の方がますます拡張されて遂に国境を越えていく現実の球状世界が
テンセグリティのP2Pネットワークを模倣しはじめたことである。
より重要なサーバーを所有しないネットワークは
権力構造(power structure)からは生み出されなかった。

IP電話、Skypeなどのネットワークに<構造の致命的な破壊>という定義が存在しないのは
テンセグリティがそのアナロジーになるよりも早く
P2Pにおける通信端末がテンセグリティのノード(=つまり、ジョイントレスの頂点)を
フィジカルに模倣したからである。

テンセグリティの現実は
未来よりも近く、つねに抽象的で実際的なのである。

すべての<砦>が圧縮材から構成される歴史が終わるためには
夢想家の建築家のテクノロジーではなく、産業社会での最初の詩人が必要であった。

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ハードウェア

21世紀のどんな工場も移転可能である。
巨大タンカーやジャンボジェットの工場でさえ。

しかし、産業的設備の中で
もっとも排除が困難なハードウェアは
原子力発電所である。

なぜなら、
そのように設計したからである。

土地資本主義の
最後のエネルギーの<砦>として。     」

引用 2011年5月 5日 犬のしっぽブログ から

http://www.two-pictures.net/mtstatic/2011/05/post-1968.html

回転する球と振動する球

ボールベアリングは
人工的にデザインされた
もっとも効果的な圧縮部材である。

回転するボールベアリングは他のボールベアリングと相互に点接触する。

テンセグリティ球は
自然によってデザインされた
圧縮部材と張力材の相補的に統合されて
もっとも効果的に共鳴する疑似球面である。

他の物体と相互に接触する時、
互いに非接触な圧縮材は相互に非同時的に振動する。

自律的な浮かぶ疑似重力圏を形成し
移動しながら惑星地球と相互に点接触することもできる。

テンセグリティ (tensegrity)

デヴィッド・ジョーゼフ・ボーム(David Joseph Bohm)は
すぐれたメタフィジックスの操作主義者である。

「原子、電子、陽子、テーブル、椅子、人間、惑星、銀河などすべてのものが、
全体的な運動からの抽象と考えられる。」

その抽象とはテンセグリティである。
テンセグリティ構造そのものが
望遠鏡でも顕微鏡でもこれまで直接観察できなかった理由である。

原子、電子、陽子、テーブル、椅子、人間、惑星、銀河などは
同時的に非同時的に、そして局所的に全体的に
動的なテンセグリティ構造を形成している。

バックミンスター・フラーは
住宅をテンセグリティ構造に変換するための
メタフィジックス的なすべての抽象的過程を<予測的デザインサイエンス>と呼んでいる。