科学研究のインセンティブ

インセンティブ(incentive)という
人々の意思決定や行動を変化させるような要因から
客観的な完全性は生まれない。

理解とは
インセンティブ(incentive)とかけ離れた
客観的な完全性である。

インセンティブとは
誘因された動機や刺激であり
俗語でコカインを意味する。

科学研究のインセンティブは
奨励金や補助金で塗されている。

21世紀の科学研究のためのインセンティブは
現金製造装置の一部である。

シナジェティクスと概念

形態美を可視化しただけのテンセグリティは
繊細で変形しやすく、壊れやすく
それゆえに局所的である。

真のテンセグリティモデルは
張力材の破断を怖れない概念を包括している。

バックミンスター・フラーは
概念の構築過程からテンセグリティを発見している。

圧縮力と張力における
非鏡像的で相補的な<構造とパターン>の20年間におよぶ探査から
ついに真の<構造システム>を発見したのである。

それゆでに、テンセグリティは
最長の懐胎期間を必要とするのかもしれない。

教育装置

シナジェティクスモデルは教育の手段ではない。

シナジェティクスモデルは
原理を視覚化したモデルであり
人格のない教育装置(ティーチングマシーン)である。

例えば、テンセグリティモデルは原子核モデルである。

モバイル・テンセグリティ構造

半球状のテンセグリティ構造では
システム上の様々な問題が発生する。

バックミンスター・フラーと同じ考え方で
テンセグリティシステムを制作すると
その新しい問題は解決できない。

テンセグリティの実用化の関する問題の解決方法は
全天候性のモバイル・テンセグリティ構造に
居住するという現実的要求からしか生まれない。

それはテンセグリティ理論をより純粋にし、
新たな定義を与える機会になるだろう。

 

水深100mでの疑似無重力圏での放散虫のエンジニアリング
フェオダリア2014

定義のヘビーユーザ

テンセグリティ作品の独自性を高めるために
アセンブルをより複雑にし、
その芸術作品の価値を向上させるために
テンセグリティのモジュール化を拒む。

現在のケネス・スネルソンから
テンセグリティ構造を
生存のための構造システムに変換する行為はついに見られなかった。

彼が球状テンセグリティに挑戦しなかったのは
バックミンスター・フラーの創造性と棲み分けしているからだとしたら
彼のテンセグリティに対する見解は実に局所的である。

彼の芸術は様式を模倣したくないだけのように見える。

しかし、テンセグリティの<構造とパターン>は
まだ一般化されていない。
<構造とパターン>は数学そのものである。

ケネス・スネルソンは
圧縮材の不連続の連続に魅せられたまま
美学的行為の無限性を表出しているかぎり、
バックミンスター・フラーによる
テンセグリティの定義のヘビーユーザにすぎないだろう。

その定義よりも前に
動植物のすべての細胞が採用してきた
テンセグリティシステムの包括的な先験性によって
彼の作品を時代遅れにしているのである。

バックミンスター・フラーによる
一般化された球状テンセグリティモデルの発見以後
この半世紀間の自然の観察から分かってきたことは
テンセグリティ原理は
生存のための構造安定化のためのデフォルトなのである。

テンセグリティシステムは
特殊ではなく、水素原子のように
ありふれた宇宙の構造システムなのだ。

デザインサイエンスとシナジェティクス

デザインサイエンスを実践と切り離し
シナジェティクスモデルの限りない再現は
他人の思考方法を投影した3Dオブジェに過ぎない。

ゴム紐や釣り糸のテンセグリティモデルなどは
まったく無意味なのだ。

張力に対する間違った概念が
2点間距離を変動させているだけである。

自然は、主観的に、美的に実行しない。

シナジェティクスは幾何学ではない

シナジェティクスモデルの形態の再現だけから
モデル言語は認識できない。

モデル言語は
後に他の科学原理やシナジェティクスモデルとの関係によって理解されるが
その理解こそシナジェティクスにとって包括性の始まりである。

既成の思考パターンによる運動から
離れた自由を垣間見るのである。

果てしない対立物がうずくまる内部を
外部に対して投影する行為から
自由になるのである。

シナジェティクスは関係性の幾何学である。

独立した思考や感情を求めて
力への渇望と自己満足を追求する行為が
どれほどの混乱を引き起こしてきたかが見えはじめるのである。

プライムデザイナーとTrimtabデザイン

デザインサイエンスは
デザインするかぎり迷うデザイン行為とは無縁である。

デザインサイエンスは
シナジェティクスの直観と知性によって
機能を物質に変換するテクノロジーであり
物質のあるべき姿(doing more with less)を
投影(project)する科学である。

クライアントが不在のまま
デザインサイエンスは他者の利益を最優先する
trimtabをデザインできるのである。

trimtabのデザインは
プライムデザイナー(Prime designer)の共同性と無名性が
最初にデザインされる。

続)予測的デザインサイエンス

発見された概念をモデリングで試しただけでは
実在する機能までも証明できない。

原寸大で試してみなければ。

バックミンスター・フラー以外のデザインサイエンスでは
つまり、1983年以後、
もっともエネルギーと時間がかかることが
一番後回しにされている。