ある日、釣りに出かけた。
どうやって釣るのか
どこで釣るのか分からないまま。
しかし、入れ食い状態が突然起こる。
この経験に遭遇すると、
ふたたび、釣りに出かけないではいられない。
そのうち、釣った魚の種類と数に驚きそのすべてを時系列で記録するために
意図的に釣りをしないで釣り人のそばで記録をする人が現れる。
釣り竿は想像力で
餌は、直観だ。
魚とはもちろん原理のことだ。
シナジェティクスはこの記録(クロノファイル)の結晶だ。
シナジェティクスには出版社側ではない特別な編集者がいた。
その人が E.J.アップルホワイトである。
「釣りの楽しさは、釣ってみなければ分からない。」からは、
アップルホワイトの自発的な動機を説明できない。
彼は構造と意味との動的な生成メカニズムの編集者である。
シナジェティクスの発見されていく原理から生成する相互関係の
予測とさらにそれから発生する新たな発見のフィールドワークに徹したのである。
バックミンスター・フラーがそのクロノファイルをみて、
よりみごとな発見に出会える偶然を計画するある種のフィードバック機能が発生していたのである。
彼らは、ハイパー言語の完成とその効果を証明するために半世紀を費やしている。
私は1995年のニューヨークのフラー生誕100年祭で
アップルホワイト氏の最初の著作<Cosmic Fishing>を翻訳出版する約束を忘れたことはない。
すべては『コズモグラフィ』から始まる。