力が働いても、形が変わらないように見える物体は剛体と言われている。
それに対して、力が働くと形が変化するように見える物体は弾性体と言われている。
物理学が、すべての固体が弾性体であると定義した瞬間に
すべての物体において理想的な固体は存在しなくなる。
弾性体には必然的に相対的な硬さの値を表すヤング率が存在する。
合金でさえ原子間の凝集力が弾性的性質を決めている。
テンセグリティモデルの弾性的性質を自由に決めて良い場合、
張力体をゴム材で構成することは、
自動車のタイヤをタイヤよりもヤング率の大きい金属や木でデザインするようなものだ。
つまりエンジニアリングの決定的な欠如があるのである。
自然が構造の作りやすさのために、原子間の凝集力を犠牲にすることはあり得ない。
フラーレンもナノチューブのヤング率も、
テンセグリティ構造以外では再現できないだろう。 Y.K
—ヤング率の比較—
ナノチューブ 1200
炭素繊維 345
鋼鉄 208
木 16
エポキシ 3.5
ゴム (1.5-5.0)×10-3
ポリエチレン 7.6×10-1 単位[GPa]