月別アーカイブ: 2008年2月

知的奴隷

発明家は、テクノロジーの〈不可視〉の世界で、機能的性能の一定の増加量を達成するために投入される素材の一単位の体積または重量、単位エネルギー、そし て労働および生産システムの維持管理に要する単位時間に対して遂行される仕事の効率に関して、絶えずその量と質を高めていく。
バックミンスター・フラーはこの複雑な過程を漸進的短命化(「エフェメラリゼーション」と呼んだ。
しかし、99%の発明家がこの漸進的短命化ではなく、グランチ企業のアブノックスな収益のために発明を現金化する知的奴隷に甘んじた結果、テクノロジーは地球システムの漸進的自己破壊化に加担し、エントロピーは加速するばかりだ。

リアリティ

概念はメタフィジクスである以上、重さがない。
リアリティは物理的な存在(フィジクス)に関係する。

シナジェティクスはその両者の相互変換に関する
包括的な科学である。

盗まれたノウハウ

「抽象的な〈存在〉である有限責任の企業には、その不可視の全体が国境を越えて移動するときパスポートは要らない。
第二次世界大戦後まもなく、アメリカで最も大きな数百の企業は超国家企業となり、アメリカの産業として誕生していたこれらの企業に対する不可視の法的な支配力をすべての〈ノウハウ〉と共にアメリカ国外へ持ち出した。

このノウハウはもともと、当初はアメリカ国防総省やマンハッタン計画または宇宙計画だけのために開発される基本的なテクノロジーへの出資を、戦時 に備える政府が負担したことで、アメリカ国民が初期投資をしたのだが、政府の(つまりわれわれの出費で戦時に獲得されたこのノウハウは後に〈平時〉の〈産 業効率〉のために私企業に無料で委譲された。」バックミンスター・フラー『グランチの起源』近刊 (抄訳 梶川泰司+黒野迅)

第二次世界大戦後の世界中の庶民が月々に支払う基本料のほとんどはこの過去に開発され持ち出されたノウハウだ。超国家企業の法律家資本主義者たちは歴史的無料化を防止するためのファイヤーウォールを、グローバリゼーションと呼んでいる。