木工技術

もっとも創造的な木工技術は、一本の樹木自体に備わっている。
無数の葉を受光させるために枝を水平に伸ばすには、
大枝の幹の部分には数トンの圧縮力と張力がかかる。
そして、葉脈まで水分を循環補給させるための導管は、
水で満たされた圧縮機能と同時に、
木質素からなる側壁の曲げに対する張力機能を形成している。

水と導管は強度の向上をコントロールする主要構造要素である。

多くの人々は材木を利用した構造物に住んでいるが、
強度と柔軟性が調和しないので、
大地震でほとんど倒壊してしまう。
自然の木工技術を模倣できていないのである。

成長しながらも維持される樹の強度と柔軟性を、
物事にも適応させることは、
圧縮力と張力の分離と統合に関する
一般化されたテンセグリティ技術である。

ブナの木

ブナの木

ブナの葉は、一日1トン以上の水分を蒸発させる。