モデル言語が理解よりも先行した真の構造革命は
中心軸のある初期のテンセグリティとしての
ダイマクションハウスを陳腐化した。
バックミンスター・フラーの愛好者たちは
4Dハウスとダイマクションハウスの基本概念を超えるまでの
もっとも長い懐胎期を知らないまま
彼の幾何学と工学を駆使した包括的デザインを
20世紀のレオナルド・ダ・ビンチと称してきた。
多軸テンセグリティ原理の発見は
ジオデシック原理の発見の前夜だったのである。
(参照 第3章 テンセグリティの発見 『宇宙エコロジー』
バックミンスター・フラー+梶川泰司著 美術出版社2004)
シナジェティクスのモデル言語から構造の全歴史における
最大の飛躍が翻訳できなければ
人々は論理的な理解に急ぐ習慣を変えないまま
時間的事実を逆さから理解することに終わるだろう。
遺作となった『コスモグラフィー シナジェティクス原論』
(バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 白揚社 2007)では
彼はダイマクションカーとダイマクションハウスの量産計画に
携わっていなければ、シナジェティクスは
さらに加速していた可能性を告白している。