投稿者「synergetics」のアーカイブ

反・骨格

構造に関する<デザインの基礎>も<デザインの骨格>などの概念も
人類が固体的な圧縮から住居を築き上げた経験が何万年も成功した結果
圧縮材のみから構成される概念の慣性力から生まれた残像である。
それは網膜に焼き付いている過去の思考形態である。

張力に関する概念の歴史は
陸ではなく文字文化を持たない海の民によって継続されてきた
ほとんど重さを形成しない方法(=Trimtab)の歴史である。

テンセグリティに全体的破壊が存在しないのはなぜか。

テンセグリティに基礎は存在しない
そして
テンセグリティに骨格は存在しないから。

直観的

形態(shape)を超えた原理に出会うために
マインドが直観的に探査する方法こそは
シナジェティクス・モデリングに他ならない。

その経験によって
直観と直感を明確に区別できるようになるだろう。

蝿の目(Fly’s eyes)と球面波動

テンセグリティ以上に
何の秘密なく裸形で統合されている
構造とパターンは存在しない。

すべての外力分散を
振動に変換するパッシブな機能の維持に
どんなエネルギーも消費されていない。

システムを通過する外部エネルギーが
そのシステムをより強化する作用は
シナジー現象として認識できる。

☆蝿の目と球面
John Roach for National Geographic News
September 30, 2010

共鳴型テンセグリティ

前例のない未来的な構造だと思い込んでも
それが気取った形態と力学の組み合わせからなる
有用性の段階を超えない限り、
そして
テンセグリティ構造の起源が
あの岩石と同じくらい太陽系に属していることを理解しない限り、
テンセグリティ構造は
小高い丘の頂上の広葉樹に囲まれながら
夕日に照らされて点在する岩石のように
風化に耐えた時間を具現化できないだろう。

実際にはあの丘の岩よりも古いものなのだ。

理想球面

自重があるかぎり
完璧な球面構造といったものは存在しないが
圧縮材が不連続なテンセグリティ構造においては
その固有な動的外力分散システムによって
統計的に完璧な球面構造が形成できる。

シナジェティクス原論

宇宙の原理に接近するほど
原理の存在を証明するシナジェティクス・モデルとその種類は加速度的に増加する。

論理的な相互関係の証明はその後だ。 

バックミンスター・フラーによるシナジェティクスの入門書は
『コズモグラフィ—シナジェティクス原論』 バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 (2007 白揚社)

構造とパターン

この宇宙全体の驚くべき構造があるのではないかと気づくと同時に
外部からだけではなく
まるで内部に住んでいたかのように描けるのが
新しい構造とパターンである。

テンセグリティほど
新しい構造とパターンを内在させているシステムは他には存在しないだろう。

クリティカル・パスの解決方法  

その1

クリティカル・パスの問題解決方法は、

1.いつまでに何を成し遂げたいか

2.いつまでにどのように成し遂げたいか

という2つの要素から成り立っている。

つまり、方法と経験の秩序化の過程(あるいは工程)の全履歴を

行動によってのみ客観的にかつ動的に形成(あるいは記述)することが目的化されている。

その2

プリセッション

クリティカル・パスの過程において、

本来の目的外の異なった問題とその解決方法の発見に遭遇できた場合は、

上記の2つの要素が選択されるまでの履歴だけではなく

クリティカル・パスを必要とした動機にまで遡れるだろう。

その3

上記の方法は、発見的クリティカル・パス方法であり、

従来の帰納法的(induction)とも演繹的方法(deduction)とも異なっている。

決定的な違いはクロノファイルの有無にある。

梶川泰司

経験(experience)から実験(experiment)へ

モデリングは実験すればするほどうまくいく。

経験(experience)と実験(experiment)との違いは
現象に対する「主観的な傍観者(経験)」と
「無干渉的な観察者(実験)」であるとするような
対比可能な関係にあるのではなく
実験が「実在に意図的に参加する(=「自己の外」へ出る)」
ことであるという点において
根本的に経験とは異なっているのである。

概念操作の違いから生まれる異なったモデリングの経験から
異なった実験的な、それゆえ客観的なモデリングを発見できるだろう。
実験的なモデリングによってのみ
構造とパターンの未知なる関係が明らかになるのだ。