投稿者「synergetics」のアーカイブ

モデル言語

簡単には説明できないことこそ
モデリングできる。
そうすれば、簡単な言葉で説明できるだろう。

それを受け入れることが
シナジェティクスのはじまりだ。

モデル言語から概念に到達した時に
古い言語はひとりでに破壊されているだろう。

共鳴テンセグリティ(Resonated Tensegrity)

本質的なテンセグリティは、楽器のようにどの瞬間にも共鳴する。

テンセグリティを通過するエネルギーが
システムをより安定させることができるのは、
閉じたネットワークが外力分散機能を自己形成するからである。

張力材にゴム紐のようなエラスティックな素材にすると
この機能は消滅してしまう。

ピアノから美しい音楽を聴きたければ、
その共鳴盤(たいていピアノの蓋と呼ばれている)に
ゴム板を使うべきではないだろう。

再考 Think Global, Act Local

テンセグリティの外力分散機能は
システムの絶えざる動的均衡を
より高めることができる。

つまり、システムを通過するエネルギーは
システムをより安定させることができる。

もしテンセグリティが
Think Global, Act Localに機能しているなら、
落下させたボールのように弾む前に
その衝撃によって一瞬のうちにバラバラになるだろう。

前世紀の還元主義者が主張した
「部分と全体」の関係に対する誤った概念は、
最初に政治的プロパガンダに、そして次に
商業主義的なエコロジー教育に転用されただけである。

モジュールという交換機能

鳥は翼を傷つけたとき、
他の翼、つまり、仲間の鳥の翼と交換することは出来ない。

われわれの住宅はすべての部品が交換できないので
非モジュール的に設計されている。
交換出来てもせいぜいドアや窓、畳程度である。

交換できないことで、利益を追求している世界は
まだ支配的である。

現代のジェット機の翼やエンジンは交換できる。
モジュールという概念はパソコンや冷蔵庫、自動車にも適応されているが
自然は原子核を構成する核子に適応している。
(核分裂や核融合では陽子や反粒子などのモジュールが交換される。)

交換機能のデザインは見えないテクノロジーに属する。

非連続の連続

テンセグリティは自然の形態からの模倣や盗作では到達できなかった。

テンセグリティの機能を視覚化できなかったのは、
自然の形態から圧縮と張力の関係を抽象化し、
物質に変換できなかったからである。

構造の歴史に
テンセグリティ以上の言語の革命はなかった。
つまり、「非連続の連続」という概念の物質化を
古典力学の範囲内で達成したのである。

シナジェティクス入門講座の後期講座では
非共鳴型テンセグリティと共鳴型テンセグリティを
概念モデルまたは原寸大モデルでそれぞれデザインする。

アブノックス

シャンプーのほとんどは
石油系の合成界面活性剤という石油製品である。

石油の精製過程で発生するすべての化学物質は石油製品である。
石油から分留される石油コークスに含まれる水素や炭素も石油製品である。
これらは他の精製過程の中間生成物として使用される。

燃料電池車の水素ガスは酸素と化合して
最終的に水蒸気として排気されるが、
この水素を石油精製過程から得る限り、
この水蒸気も石油製品である。

専門家はこのプロセスをけっして批判しない。

シナジェティクス講座では
上記のアブノックス概念は翻訳講座で扱う。

目的論

シナジェティクス研究所のデザインサイエンス講座は
バックミンスター・フラーのデザインサイエンスの非公開のノウハウや
クリティカル・パス法を知るためではなく
それらを使って実践するための講座である。

デザインサイエンスのクライアントは宇宙である。
目的論なくして、知ることはほとんどないだろう。

シナジェティクス原論

テンセグリティ・ワークショップの参加者によるダイアローグは、
どの本にも書かれていないことが多い。
たとえ、『コスモグラフィー シナジェティクス原論』
(バックミンスター・フラー著 梶川泰司訳 白揚社 2007)からでさえ。

経験に基づいて自発的に思考するからだ。

テンセグリティ・ワークショップは
テンセグリティモデルの純粋な再現を通して、思考言語に接近する。

シナジェティクス原論は
テンセグリティモデルから始まる。

教育用テンセグリティモデルの開発

風はだれも見れないが
船乗りが風を受け入れるように、
本当のシナジーの概念を直観的に理解できるのは
テンセグリティだけ。

震えていない瞬間はないように
つねに角度と振動数に移り変わる。

本当の構造に名前を教えるのは
テンセグリティモデルだけ。

というメタフィジックスは
テンセグリティ・ワークショップで経験できる。

バックミンスター・フラーでさえ
テンセグリティの定義にしたがった
教育用のテンセグリティモデルを開発できていなかった。

シナジェティクスの講義の前に一人控え室で
テンセグリティモデルを淡々と再構成していたのを思い出す。
講義用のテンセグリティモデルは
モバイラーには軽すぎるが大きすぎたのだ。

彼はそれに関わるには
忙しすぎたが他の誰も教育用のデザインを提案できなかった。
テンセグリティの存在のすべてが純粋だったからだ。
(張力材がゴム材の場合は、エンジニアリングの妥協の産物である。)

シナジェティクス研究所が開発した
球状20面体のテンセグリティキットは
小学生から大人まで、4時間程度で組み立て可能だ。
(所定の長さの張力部材が完成してからの、アセンブルではわずか1時間程度である。)

再生的・普遍的デザイン

世界的な不況に対する条件反射で
人々にお金がなくなっている危機感だけが増大している。
これは 20世紀の経済システムによる洗脳の結果である。
つまり、誰かの富は誰かの借金である会計システムは
理解されないようになっている。

人口増加にもかかわらず、
すべての人間に十分なエネルギーと食料がある以上、
経済不況という概念は時代遅れである。

地球惑星のすべてのエネルギーと食料は
太陽エネルギーの変換から形成されているという
再生的宇宙観は、
20世紀に発見された科学的思考である。

科学的思考は不変的(=普遍的)である。
普遍的とは地球規模のグローバル(global)ではなく、
ユニバーサル(universal)である。

デザインサイエンスは
再生的宇宙に適応したユニバーサル(universal)な道具をデザインする。

エコロジーを統合するシナジーの超物質的な概念は
物質的な道具に変換可能である。