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臨象テンセグリティの誕生

テンセグリティは
ポジティヴとネガティブな相互関係を
圧縮材と張力材の非鏡像的で相補的な関係を
物質に変換した瞬間に
無限性を否定する有限性から切り離した。

その時に出現した構造は、
技術的かつ社会的限界を設ける臨界的機能と
起源を発見する機能とを同時に果たす。

不連続な圧縮材からなる球系テンセグリティ構造に
直径の限界は存在しない。

相補性というものに権力構造を超える構造を賦与する
思考の幾何学が誕生したのは
テンセグリティ原理の発見からである。

シナジェティクス研究所
梶川泰司

自然の形態を超える

動けば変わるのではなく
動けばより安定するばかりか
共鳴によって動きを統合するのは
テンセグリティの本質的機能である。

この自然の構造は、まだ解析できていない。

その理由は、全体が部分の集合以上なのではなく
自然がUnknownを統合しているからではなく
シナジーが自然を統合しているからである。

テンセグリティは自然の形態を視覚化したモデルではない。
テンセグリティはシナジー作用が物質化された稀有な原理モデルである。

テンセグリティ構造が結晶構造のように
これまで自然界でその形態が発見されていないのは
自然の構造モデル以上だからである。

プリセッション(計画的偶然)への再考

宇宙開発の副産物によって人間の生存方法とその状態が
改善されることよりも
搾取による大多数の不利益が増大する方がつねに優位ならば
個々人が、そして個々人にとって
もっとも優先すべ生存上の課題は
軍産学複合体による大気圏外の宇宙開発ではなく
大気圏内の宇宙開発である。

この目的を理解するための
デザインサイエンスのプログラムは
モデル言語の習得から始まる。

だが、実際に行動するに至る過程で
幾つかのプリセッション(計画的偶然)が介在して
その探査がはじめて成就する時
個人的な出来事の記録とその変化こそが重要になることを
その探査する前に、いったいどのような方法で
知ることができるのだろうか。

それはもはや方法ではない。
メタフィジックスが導く道に地図はない。

プリセッション(計画的偶然)

宇宙開発の副産物によって人間の生存方法とその状態が
改善されることよりも、
グランチの支配と搾取による大多数の不利益が増大する方がつねに優位ならば
個々人が、そして個々人にとってもっとも優先すべ生存上の課題は
軍産学複合体による大気圏外の宇宙開発ではなく
大気圏内の宇宙開発にちがいない。
ーーーーーーーーいうまでもなく、欠乏のない科学的で経済的な食料とエネルギー、
そして、住居の生産方法などについて。

だが、実際に行動するに至る過程で
幾つかのプリセッション(計画的偶然)が介在して
その探査がはじめて成就する時
個人的な出来事の記録とその変化こそが重要になることを
その探査する前に、いったいどのような方法で
知ることができるのだろうか。

この先見的な目的論を理解するための
デザインサイエンスのプログラムは
モデル言語の習得から始まる。

はじめにコズモグラフィーありき

デザインサイエンスなきシナジェティクスも
シナジェティクスなきデザインサイエンスは
ともに短命である。

25歳までにシナジェティクスを習得していても、ただの幾何学にすぎない。
30歳までにデザインサイエンスに挑戦しても、
プライムデザイナーなきプロダクトデザインにすぎない。

もし、40歳を過ぎてデザインサイエンスを継続していれば、
宇宙のシナジェティクス原理を発見しているにちがいない。
そのとき、再びコズモグラフィーを理解できるだろう。

シナジェティクスとデザインサイエンスの修行期間は、
人類最長の12年間である。

はじめにコズモグラフィーがなければ、どんな志も耐えられないだろう。

シナジェティクスの生成思考

純粋な興味は知らないことから始まる。
そして知れば知るほど、知らないことは増える。

しかし、知らないことがより少ないことが
優れた専門家を形成してきた。

シナジェティクスは、専門分化を否定した最初の科学である。

真の思考力は必ずしも知識量には依存しない。
むしろ、知らないことが新しいアイデアを形成する場を形成する。

あるいは
だれでも最初は知らないというデフォルトが
発見のための重要な知のファクターになるにちがいない。

テンセグリティ構造の探査方法

圧縮力の心配によって<構造とパターン>を乱し
張力の心配によってシナジーを疑う人々が
テンセグリティのPCによるシミュレーションからはじめるのは
計算主義の気安めと依存からである。

航空力学はライト兄弟の飛行実験の成功以後に作られている。

航空機の構造よりもテンセグリティ構造は
水素原子のように、宇宙空間ではありふれた構造である。

シナジェティクスなきシミュレーションから
人類の有用な<構造とパターン>は発見されないだろう。

共鳴型テンセグリティモデルの制作による
モデル言語の習得なくして構造とパターンの理解は得られない。

バックミンスター・フラーが望んでいた共鳴型テンセグリティモデルは
インターネット上にほとんど存在していない。

形態の愛好と模倣はシナジェティクスには無縁である。

トラス構造の相補性について

トラス構造は常に全面的に自由であるか
あるいは、
常に全面的に自由でないか、そのいずれかである。

完全な12方向の自由のためには、軽量化と剛性化が達成されなければならない。

同時にそれらが達成された理想的なトラス構造では
その構造を構成する4面体と8面体のモジュールの構成比は1:1である。

自動車や航空機、そして住宅の
壁や床は、まだ科学的に構造的ではない。

秩序とシナジェティクス

科学者は、「混沌から秩序をもぎ取る」と言われてきた。

科学者の物理的な実験によってこれまでわかったことは、

自然の先験的な秩序または

科学者の自身の作業仮説を発見させた優雅さで

つねに作用している宇宙に比べると

彼らのもぎ取った秩序はつねに粗雑に見えるということである。 

幸運にもその粗雑さを免れて優美さを備えたまま発見された

シナジェティクスモデル群のなかにテンセグリティモデルがあるが

明らかにその優美さは宇宙に属する。