シナジェティクス原理の発見があるなら
そして少なくともその論文がすでに公開されているなら
他者に対するその存在の科学的証明や
まして科学的な興味や知識のない広範囲な人々への
効果的なプレゼンはそれほど重要ではない。
これは専門分化を意味しない。
個人が科学的に知り得たこと
最初のその認識だけが
宇宙との相互作用を深める最初の客観的行為である。
つまり、他者への科学的な証明よりも
優先されるメタフィジックスである。
シナジェティクス原理の発見があるなら
そして少なくともその論文がすでに公開されているなら
他者に対するその存在の科学的証明や
まして科学的な興味や知識のない広範囲な人々への
効果的なプレゼンはそれほど重要ではない。
これは専門分化を意味しない。
個人が科学的に知り得たこと
最初のその認識だけが
宇宙との相互作用を深める最初の客観的行為である。
つまり、他者への科学的な証明よりも
優先されるメタフィジックスである。
<形態が機能に従う>デザイン理論(=バウハウスの中心思想)の終焉は
バックミンスター・フラーがテンセグリティ原理の発見とそのモデル化と共に、
エフェメラリゼーションとして概念化した瞬間から始まっていた。
つまり、真の機能は非物質化する傾向を見抜いた瞬間から
形態は機能にとって二次的な要素となったのである。
大量生産の前提を構成する工場設備には依存しないこの産業革命は
情報量にも依存しなかった。
哲学が産業に影響を与えるほど普遍的な問いを発する
最初のメタフィジックスの時代にいるのである。
このテンセグリティ理論によって
構造の革命を事件によって認識した瞬間に
これまで構造と言われきた
あらゆる種類の圧縮材の連続によって
物質とエネルギーはつねに浪費されていた事実に気づくのである。
テンセグリティにおいては
その半径の増大と共に
圧縮材は相対的に、より細くより短くなるのである。
超軽量構造を具現化するテンセグリティとは
外力からのリスクから解放されるばかりか、
内部の自重という束縛から解放するシステムを獲得した最初の構造を意味している。
この包括性の物質化した科学的実験を理解した最初の科学者の一人に
アインシュタインがいる。
1951年のプリンストン大学の構内に制作された
バックミンスター・フラーの直径10mのテンセグリティ球を見た瞬間こそ
圧縮力と張力との相互作用を具現化した原子核モデルの認識が始まった瞬間なのである。
しかし、一般化を追求する過程であまりも抽象性に陥っていた物理学は
その歴史的瞬間の言語化にはそれ以後も無関心であった。
原子核の陽子は記号として赤い球体、
電子は陽子を周回する小さな白い球体で表されたままである。
相互作用を視覚化した包括的な力学モデルは
シナジェティクス以外は挑戦してこなかったのである。
シナジェティクス研究所 梶川泰司
Fig. 730.12 Stabilization of Tension in Tensegrity Column: by RBF
We put a steel sphere at the center of gravity of a cube which is also the center of gravity of tetrahedron and then run steel tubes from the center of gravity to four corners, W,X,Y, and Z, of negative tetrahedron (A).
Every tetrahedron’s center of gravity has four radials from the center of gravity to the four vertexes of the tetrahedron (B). In the juncture between the two tetrahedra (D), ball joints at the center of gravity are pulled toward one another by a vertical tension stay, thus thrusting universally jointed legs outwardly, and their outward thrust is stably restrained by finite sling closure WXYZ. This system is nonredundant: a basic discontinuous-compression continuous-tension or “tensegrity” structure. It is possible to have a stack (column) of center-of-gravity radial tube tetrahedra struts (C) with horizontal (approximate) tension slings and vertical tension guys and diagonal tension edges of the four superimposed tetrahedra, which, because of the (approximate) horizontal slings, cannot come any closer to one another, and, because of their vertical guys, cannot get any further away from one another, and therefore compose a stable relationship: a structure.
「半分の長さは倍の長さに等しい」というdualityの法則は
ジオデシックス理論ではfrequency理論から創出される
シナジー原理そのものである。
半径を増大させる時、ジオデシックテンセグリティ構造を
構成する部材は、より細く薄くなり(=けっして相対的ではなく)、
単位体積当たりの構造体の重量は、加速度的に軽量化される。
ただし、分割数の増加と共に半径も比例して増大するならば。
量産のための原型を産業社会では
プロトタイプ(=prototype)と呼んできた。
1927年から開始されたバックミンスター・フラーの
デザインサイエンスにおけるプロトタイプとは
もはや試作品ではなく
モジュールの複製のための<最初の原型>のデザイン
または
その<母型>の発見のプロセスを意味する。
後にこのプロセスは<クリティカル・パス>として一般化された。
<クリティカル・パス>を開始する準備段階として
形態(shape)を超えた原型に出会うための
マインドが直観的に探査する方法こそは
シナジェティクス・モデリングに他ならない。
形態(shape)を超えた原理に出会うために
マインドが直観的に探査する方法こそは
シナジェティクス・モデリングに他ならない。
その経験によって
直観と直感を明確に区別できるようになるだろう。
前例のない未来的な構造だと思い込んでも
それが気取った形態と力学の組み合わせからなる
有用性の段階を超えない限り、
そして
テンセグリティ構造の起源が
あの岩石と同じくらい太陽系に属していることを理解しない限り、
テンセグリティ構造は
小高い丘の頂上の広葉樹に囲まれながら
夕日に照らされて点在する岩石のように
風化に耐えた時間を具現化できないだろう。
実際にはあの丘の岩よりも古いものなのだ。
宇宙の原理に接近するほど
原理の存在を証明するシナジェティクス・モデルとその種類は加速度的に増加する。
論理的な相互関係の証明はその後だ。
バックミンスター・フラーによるシナジェティクスの入門書は
『コズモグラフィ—シナジェティクス原論』 バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 (2007 白揚社)
モデリングは実験すればするほどうまくいく。
経験(experience)と実験(experiment)との違いは
現象に対する「主観的な傍観者(経験)」と
「無干渉的な観察者(実験)」であるとするような
対比可能な関係にあるのではなく
実験が「実在に意図的に参加する(=「自己の外」へ出る)」
ことであるという点において
根本的に経験とは異なっているのである。
概念操作の違いから生まれる異なったモデリングの経験から
異なった実験的な、それゆえ客観的なモデリングを発見できるだろう。
実験的なモデリングによってのみ
構造とパターンの未知なる関係が明らかになるのだ。
構造をデザインした建築家はいない。
原子核が発見されたときにさえ、
まだ構造は発見されてはいなかった。
自然科学においてさえ
構造の定義は未だ存在していなかったから。
構造の原理は
バックミンスター・フラーによって
1927年に発見されたのである。
構造もまた重力のようにデザインできなかったのである。