クリティカル・パス」カテゴリーアーカイブ

科学・技術史

科学・技術史を編纂するアカデミズムの科学史家たちは
実はジレンマに陥っている。

たとえば、長岡半太郎の原子核モデルが、
ニールス・ボーアより早く概念化されているにもかかわらず
世界の科学史に異論を唱えられないような立場が
国境別の科学史家に生じているからではなく、
科学史に残るほどの重要な発明発見ほど、
大学の外で成されてきたからである。

主要産業国が個別に作成した科学・技術史を比較すれば、
より明確に資格のない科学者や発明家たちによって
形成されているのがわかるだろう。

マンハッタ計画に参加し、アラモゴードで原爆を技術的に可能にした
発明家の一人はイギリスで原爆製造に関する最初の特許出願をしている。
科学・技術史ではこうした事実こそ抹消されたままだ。

この惑星の教育課程では、真実に基づいた科学・技術史は
けっして公開されない。
公開された歴史は、戦争映画のように編集されているだろう。

教育を、ひたすら貨幣のように資格を発行する機関に求めた代償は
発見・発明を自己評価する独創性をつねに減らすことになった。

発見・発明は個人によってのみ実現できるにもかかわらず、
世界権力機構(=グランチ)によって独占されるのは、
個人こそが真の産業上の膨大な利益を生んできたからである。

その結果、事実は分断され、破壊され捏造されている。

(追記;それゆえに、真の構造(テンセグリティ構造)の歴史を
編纂するアカデミズムの科学者はナノチューブの研究者を含めて存在していない。)

クリティカル・パスの定義

クリティカル・パスの定義は、モデル化可能だ。
クリティカル・パス方から
do more with lessの構造を排除した場合、
リダンダンシーを過剰にした機械的な最長経路のフローチャートにすぎない。

効率と速度を最優先した直線的な擬似クリティカル・パス方の特徴的な
結果である。
それは、グローバリズムに巻き込まれ、巧妙に分断された証拠でもある。

シナジェティクスモデル

音楽を作る人は少なくない。
しかし、作曲するためのピアノまで自分で作る人はいないだろう。
言葉を使わない人はいない。
しかし、言葉そのものを作る人は、限られている。

シナジェティクスモデルをつく人は、ピアノを作る人よりも少ない。
シナジェティクスモデルは知られているモデルだけでも
すべて制作すると1000点以上はあるだろう。

そのすべてを解読できる日は近づいていると感じたのは1992年だ。
しかしそれからが長い。
最大の問題は、解読するにつれて、その構造と意味を再構成する過程で、
新たなモデルが増殖することである。

シナジェティクスモデルは稀有な階層的なハイパー言語だ。
幾何学的オブジェには変換できないメタフィジクスモデルだ。

これらのモデル群は作ってから、学ぶことが圧倒的に多いことがその証明だ。
シナジェティクスは自動自己教育装置について、もっとも純化した教育工学を
確立している。

『クリティカル・パス』ーーー宇宙船地球号のデザインサイエンス革命

新たなブックデザインの第1版が白揚社から今月出版される。
既に最初の刷り見本が手元に届いている。
http://www.hakuyo-sha.co.jp/

クリティカル・パスの定義は、
1980年代後半のアメリカの緊急医療テクノロジーによって、
「アローダイアグラムで表した作業工程にいくつかの分岐がある場合、最短時間ですべての工程を終了できる経路」として理解されてきた。
しかし、アローダイアグラムは直線的である。

デザインサイエンス革命に必要なクリティカル・フィードバック回路は、たいてい3次曲線である。
この螺旋こそ、プロジェクト全体にかかる時間・エネルギー・資源の軽減化につながる十分な情報を与える。
ウォー・ゲームのような殺戮のための最適化(optimize)戦略からは、この回路は生まれなかった。

1981年にバックミンスター・フラーが出版した『クリティカル・パス』の独創的な定義には、
動力学的なシナジェティクスモデルが前提にあった。
動力学的なシナジェティクスモデルとは何か。
シナジェティクスの革命性的モデルは、『コズモグラフィー』でバックミンスター・フラー自らが解説する。

Y.K