月別アーカイブ: 2009年6月

直観

磁界の中を移動するだけで、
コイルに電流が流れるように、
地球上の生命の偉大なエコロジカルな再生力を
枯渇させ不快にさせない
唯一の電磁誘導的に形成される思考回路。
この場合、磁界自体を移動させるか、コイル自体を移動させるかの選択がある。

この非論理的な回路に接近できるもっとも効果的な方法の一つは、
シナジェティクスのモデル言語を習得することである。

なぜなら、シナジーはエコロジーさえも統合しているからである。

テンセグリティの自己組織化

内部がなければ、外部は存在しない。
内部と外部がない<点>は存在しない。
概念的な宇宙の出来事には、内部と外部がある。

これは、基本的な自己組織化の原理である。

テンセグリティは、
多面体の頂点や面、線が自己組織される過程で、
張力で統合された多頂点体に変換されたのである。

そして、頂点や面、線を、
さらに、内部と外部を、
多面体のように認識できないのである。

シナジェティクスの定理とエンジニアリング

「同一点を通る2つの線は存在しない」ことは、
テンセグリティモデルを製作すれば、物理的に証明できるだろう。
テンセグリティを構成するどの圧縮材の端部は、
少なくとも3本以上の張力材が交差している。

各端部において、3本以上の張力材を一つの始点から同時に引っ張ることは不可能だ。
端を発するには3つの始点(ノット)が必要だ。

ノットには、大きさがある。
これを技術的にどのように変換できるかが、
テンセグリティジョイントのエンジニアリングだ。

またジオデシックドームのジョイントも球面上にある仮想的な各頂点を
どのように変換できるかでは同じである。

実際、重くて高価なボールジョイントから構成されないジオデシックドームでは、
三角形を構成するいくつかのフレームの中心線は、
結合のために、オリジナルの数学的な原線から移動している事実に注目できる。

シナジェティクスのエンジニアリングは、
定理と物質の操作主義から生まれる。

テンセグリティ・ロゴス

ロゴスとは、ロジスティクスの論理性にある。
万物を支配する理性は
技術的には、コミュニケーション・デザインに投影できる。
ロゴスとは、思考することであり、話すことである。

思考のロジスティクスとは、
いくつの単語がそこで使われたか。
そして、他のいくつの単語でそれが置き換えられるかだ。

テンセグリティは、
高度なコミュニケーション・デザインを実現している。

テンセグリティのロジスティクスとは、
いくつの張力という統合材がそこで使われたか。
そして、それによって他のいくつの圧縮部材が排除されたかだ。
ただし、構造の強度や機能を劣化させないで。

この現実化を思考のロジスティクスで言い換えれば、
「構造の安定化とは、不動を意味しない。
万物は安定するために互いに非接触のまま振動する。あるいは回転する。」YK

実際、高速度カメラでテンセグリティの外力分散機能を観察すれば、
局所的な振動は瞬時に球面を周回(回転)しているのがわかる。
津波が、閉じた球面上をジェット機の速度で伝播するように。

概念の牢獄

燃料電池は、電気化学反応によって電気を取り出す純粋な電池システムである。
つまり、使用する電解質は燃焼とは無関係であるが、
燃料という炎を伴う酸化作用の概念は、
なぜかシステムの名前に生き残っている。

同様に、核燃料もウランやトリウムの燃焼ではない。
原子核分裂の過程においてエネルギーを放出する物質に酸化作用は存在しない。

こうした間違った概念は、
建造物を固体的に設計し、重力を大地に流す危険な習慣に似ているだろう。
(非固体的なテンセグリティシステムには基礎部が存在しない)

構造物を石から作る歴史は、数万年も続いてきたが
炎を生活のエネルギーとして使う歴史はさらに古い。

(それゆえに、政治的な炭素排出権では、これらの概念を是正できないだろう。)

再考 人力居住機械とデザインサイエンス

炭素繊維を使った複合材の構造とマイラーの皮膜から構成された史上初の
翼長29メートルの人力飛行機は、20キログラムの重量しかなかった。
それは1979年の記録だ。

地球温暖化に適応したシェルターを、金属でデザインしようが、
再生的なプラスティックでデザインしようが、
分解・移動できない固体的住居は時代遅れである。

半永久的に個人が居住できるモバイル用シェルターが、
人間の平均体重よりも軽くできる構造は、
原理的にテンセグリティ・ジオデシック構造しか存在しない。

人力飛行機の設計のように、
この人力居住機械はハンドメイドで十分だ。
なぜなら、必要な道具と素材はすべて生産されているからだ。

21世紀の経済恐慌は、生産性の低下からではない。
(過剰な生産性を兌換紙幣が奪っているシステムに科学者や技術者は無頓着すぎるだろう)
必要なモノをデザインするためにクライアントは必要ではない時代にいる。
デザインサイエンスは再開された。

宇宙の要求に従った、
元素の平均的分布化こそ環境デザインだ。

参照
+81 シナジェティクス研究所インタビュー
http://www.plus81.com/plus/tnf/talk2_1.html

シナジーは相乗効果ではない。

水素と酸素の個別の化学的特性から、
水の存在を予測できる情報は一切存在しない。

そして、圧縮材と張力材だけの特性をみて、
誰もテンセグリティの力学的特性を想像できないならば、
シナジーは、相乗効果や共同作用ではない。

相乗効果や共同作用は、人間が実現可能な行為である。
(例えば、ビジネスなどで)

しかし、人間が模倣できるほど、
自然は、擬人化できない。

人工物とデザインサイエンス

資本主義社会の全労働人口の90%以上は、
生命維持に必要とされる富を生産しない仕事に従事している。
潜在的失業者は、100%に近づいている。

デザインサイエンスとは、
既知となった一般化された原理や技術的な発明を応用するばかりではなく、
新たにもちあがってくるだろうと予測できる問題を解決するための
最適な人工物を発明(デザイン)することである。

予測的発明は、計画的偶然(プリセッション)から生まれる。

デフレと大不況が、サイコロで決まるわけではないならば、
潜在的失業者はこの人工物を支持するだろう。

水や電気は、バイオスフィアならどこでも生成できる。
最優先の人工物は、移動可能なレンタル住居(シェルター)である。

家を所有するために金利を30年間も銀行に払うのは、時代遅れである。