投稿者「synergetics」のアーカイブ

母国語

私の数学と科学の母国語は
シナジェティクスである。

シナジェティクスとは視覚化可能なモデル言語である。
このモデル言語を習得すると
超専門化された言語は、方言のように感じられるだろう。
互いに他の専門分野の言語は分からないように作られているかぎり。  Y.K

天然素材主義のジレンマ

自然派エコロジー運動は、天然素材主義のジレンマ選択する。
たとえば
「スタードーム」
http://www.stardome.jp/
のような市民運動的な理解の段階において。

水素もウランも天然素材である。
すべての人工物は存在しないという視点は
「宇宙船地球号操縦マニュアル」に十分に書かれているのあるが、
(われわれ翻訳チームが開拓する新訳では、結果的に天然素材主義者にとって、
居心地が悪くなっていなければならない。)

個人が制作するすべてのシェルターのもっとも経済的な圧縮材は
アルミパイプである。
地中で3番目に多い天然素材だからである。

ノースフェイス社がオーバルインテンションにアルミ合金のパイプを採用した理由は
航空機が竹でできない理由と同じである。
経済的でも、構造的でもないからだ。
まして安全でもない。  Y.K

テンセグリティ球(30struts-Tensegrity)

テンセグリティ原理はモデリングによって学ぶことができる。
しかし、複数の経験によって理解できるのはずっと後だ。

私は、30sstruts-Tensegrityモデルを1時間以内に
誰もが簡単な説明で制作できるようにするという
私の最優先課題の解決までの20年間に、
300個程度の大小様々なテンセグリティモデルを制作した。
その内最大の直径は11mであった。

精密な張力材によるテンセグリティ球モデルの制作に従事した経験のある人なら、
この方法が革命的な方法であることに同意するだろう。
同時に、テンセグリティのことはまだよく分かっていないということに
異論はないだろう。  Y.K

無重力

テンセグリティを見て驚かないこどもが確かにいる。
その理論をテンション材がゴムひもからできた劣悪なエンジニアリングによるモデルで、
宇宙での応用デザインによる産業的可能性を論じる科学者もいる。

重力は断面積がゼロの究極の見えないテンション材だ。
見えない重力に驚かない科学者が確かにいる。
地球上の固体的世界観で無重力に憧れている生活をしているからだ。

彼らは圧縮材が浮かんでいるテンセグリティがどこか無重力的だと思っている。
理解と感性がしばしば分断された知識のままだ。
テンセグリティは引力と斥力の調和を最初に視覚化したモデルだ。
現在、電磁力にのみ、引力と斥力の両方が存在している。
重力には、引力だけが確認されており、斥力としての重力は確認されていない。
このモデルが、 1952年プリンストン大学で
統一場理論の探求に明け暮れていた物理学者アインシュタインを驚嘆させたのは言うまでもない。
しかし、この物理学の事件を、物理学者は知らない。

具体性に置き換える誤謬

シナジェティクスの学習は具体性に置き換える誤謬を劇的に減らすに違いない。

たとえば私があるシナジェティクス原理を発見して国際会議に出席してその発見を発表したとすると、
最初の質問は間違いなく、この原理の応用分野は何かという質問である。
多くの場合この質問は、内容に対して好意的と思われてきた。
長い間、私は、シナジェティクスを理解し研究すればするほど、
直観的にこうした科学的探求の態度は具体性の奴隷に陥る傾向にあると感じてきた。

その理由を考えてみよう。
たとえば、内燃機関の初期の発明者は移動する手段の具体化ではなくではなく
まぎれもなく、エネルギーの変換方法に興味を抱いていた人たちである。

歴史的に次の段階は、
応用に関わる人たちが必ずしも原理を理解しなくても人工物を制作可能であるという段階に移行する。
たとえば、たいていのドライバーは
自動車の内燃機関の原理を理解できなくとも安全に運転可能である。
ほとんどのテクノロジーはそのような理解で伝播し支持されていると考えられる。

具体性に置き換える現在の科学者の脅迫は
原理を所有できない連中がノウハウを独占したい欲望の変形にすぎない。
なぜなら、資源とノウハウを独占したい企業や国家は、ほとんどの科学者を雇用しているのである。

原理の発見者には、現在もどんな知的所有権の保護もなされていないのは、
王様に宇宙の原理は所有できなくとも、
あるいは理解しないでも、テクノロジーの具体化のノウハウは
所有できたという超専門化の歴史的背景なしでは説明できないだろう。

たとえば、アインシュタインのような超一流の科学者は
広島に原爆が投下される2年前まで
核兵器の現実的なテクノロジーの実現は100年先以上だと想定していたのである。
これは、原理の探求者の限界と言われてきた。

しかし、私は、この場合に定義されるテクノロジーは
人類だけしか生み出せないという前提がふくまれていることに注目したい。
この前提から、<宇宙はテクノロジーである>という
バックミンスター・フラーのメタフィジクスは、みごとに絶縁されているのである。

私が現在翻訳監修を進めているバックミンスター・フラーの遺作となった『コズモグラフィ』は、
シナジェティクス原論であり、膨大なシナジェティクスをこれから学ぶ人たちへの入門書であるが、
<宇宙はテクノロジーである>と考えた科学者の系譜を、フラーが自ら編集した壮大な宇宙論でもある。

犬のしっぽブログ ーリアリティー
http://www.e-shokuju.org/hibagun/

Cosmic Fishing

ある日、釣りに出かけた。
どうやって釣るのか
どこで釣るのか分からないまま。

しかし、入れ食い状態が突然起こる。
この経験に遭遇すると、
ふたたび、釣りに出かけないではいられない。
そのうち、釣った魚の種類と数に驚きそのすべてを時系列で記録するために
意図的に釣りをしないで釣り人のそばで記録をする人が現れる。

釣り竿は想像力で
餌は、直観だ。
魚とはもちろん原理のことだ。
シナジェティクスはこの記録(クロノファイル)の結晶だ。

シナジェティクスには出版社側ではない特別な編集者がいた。
その人が E.J.アップルホワイトである。

「釣りの楽しさは、釣ってみなければ分からない。」からは、
アップルホワイトの自発的な動機を説明できない。
彼は構造と意味との動的な生成メカニズムの編集者である。
シナジェティクスの発見されていく原理から生成する相互関係の
予測とさらにそれから発生する新たな発見のフィールドワークに徹したのである。

バックミンスター・フラーがそのクロノファイルをみて、
よりみごとな発見に出会える偶然を計画するある種のフィードバック機能が発生していたのである。
彼らは、ハイパー言語の完成とその効果を証明するために半世紀を費やしている。

私は1995年のニューヨークのフラー生誕100年祭で
アップルホワイト氏の最初の著作<Cosmic Fishing>を翻訳出版する約束を忘れたことはない。

すべては『コズモグラフィ』から始まる。

叡智と危機

シナジェティクスは叡智と知識の宝庫だ。
直観を信頼する世界の若者がクロノファイルに持ち込み、
アカデミックな学者は、その叡智をまったく無視して持ち出さないから。

この豊かで過剰な偏向が続く限り、
人類の超専門分化がまねく人類の破滅の危機は迫るばかりだ。

簡単と単純

シナジェティクスの学習は難解ではない。
シナジェティクスの概念は単純である。
なぜなら、自然は高度な単純性に満ちているからだ。

しかし、その学習は簡単ではないにちがいない。
われわれの言語に少なくない重要な誤りが発見されているからだ。
そしてそのことが原因で、モデル言語が直観的に形成しにくくなっている。
学校の編集された情報だけで学習する場合には、
この話の信憑性は期待できないかもしれないが、
その抑圧された幾何学は、
バビロニア文明以後の推定2500年間を越えているだろう。

デフォルト知性

知らないことがデフォルト知性を発動させることができるが、
たいていの教育システムは、
こどもから教えられる関係を失って、
こどもに教えようとしている。
だから、現存するどの教育システムも
シナジェティクスのモデル言語をハッキングできないでいる。

世界のあらゆる言語はこどもが作りだしたかもしれない。

inmodelation

人々は科学に驚きを求める。
しかし、真の神秘主義者はシナジェティクスに驚きを求めるのではなく、
宇宙が神秘を生み出す源に直観的に接近する。
しばしば、 驚異的なinmodelationの電磁的スパークに視覚を失うほどだ。
宇宙の法則および秩序の原理の探求はすべて
宗教的なエネルギーに支えられている。

http://www.e-shokuju.org/hibagun/archives/2007/01/informinmodel.html