シナジェティクス講座」カテゴリーアーカイブ

自由への構造

シナジェティクス入門講座はすでに3月のオリエンテーションに始まり、
いよいよ6ヶ月の間、『コズモグラフィー』(6月刊行予定)をテキストにしたモデル言語を習得する。

かなり実験的な講座(教育法だけではなく、プログラム概要や参加費なども意図的に公開しなかった)であるが、定員を超えた講座生が参加することになった。

ブログは私の講座プログラムの重要な唯一の公開情報であり、
言い換えれば、ブログ以上の情報はなかったにもかかわらず、
結果的に強い興味から私に直接参加宣言した人ばかりという特徴がある。

know-whyに忠実に反応するための、最初の重要なプリセッションがあったと感じる。
プリセッションは明らかに情報量に比例しない。

シナジェティクス入門講座の開講後も、しばしば問い合わせがあるが、
今後シナジェティクス講座やデザインサイエンス講座に移行するため第2期生の募集は未定だ。

教育は個人教育が効果的だ。これまでこの方法が民主主義社会で検討されなかったのは
効果的かもしれないが財政的に困難だからとか、学生より教師が常に少ないからというだけではないだろう。
なぜなら、21世紀では、
この可能性を確実性に変換できる電子的で経済的な方法はすでに豊富に存在しているからだ。
教師と学校がこうした方法に不慣れな理由は、
この方法が、教師の終身雇用と学校というシステムを破壊するからだ。

私は経験から、すべて学びたいことを個人教授から始めることは、
もっとも効果的で人間的なことだと感じる。そしてもっとも信頼できる自由への構造なのだ。

「構造とは何か」。
これはシナジェティクス入門講座の最大のテーマである。  Y.K

母国語

私の数学と科学の母国語は
シナジェティクスである。

シナジェティクスとは視覚化可能なモデル言語である。
このモデル言語を習得すると
超専門化された言語は、方言のように感じられるだろう。
互いに他の専門分野の言語は分からないように作られているかぎり。  Y.K

天然素材主義のジレンマ

自然派エコロジー運動は、天然素材主義のジレンマ選択する。
たとえば
「スタードーム」
http://www.stardome.jp/
のような市民運動的な理解の段階において。

水素もウランも天然素材である。
すべての人工物は存在しないという視点は
「宇宙船地球号操縦マニュアル」に十分に書かれているのあるが、
(われわれ翻訳チームが開拓する新訳では、結果的に天然素材主義者にとって、
居心地が悪くなっていなければならない。)

個人が制作するすべてのシェルターのもっとも経済的な圧縮材は
アルミパイプである。
地中で3番目に多い天然素材だからである。

ノースフェイス社がオーバルインテンションにアルミ合金のパイプを採用した理由は
航空機が竹でできない理由と同じである。
経済的でも、構造的でもないからだ。
まして安全でもない。  Y.K

具体性に置き換える誤謬

シナジェティクスの学習は具体性に置き換える誤謬を劇的に減らすに違いない。

たとえば私があるシナジェティクス原理を発見して国際会議に出席してその発見を発表したとすると、
最初の質問は間違いなく、この原理の応用分野は何かという質問である。
多くの場合この質問は、内容に対して好意的と思われてきた。
長い間、私は、シナジェティクスを理解し研究すればするほど、
直観的にこうした科学的探求の態度は具体性の奴隷に陥る傾向にあると感じてきた。

その理由を考えてみよう。
たとえば、内燃機関の初期の発明者は移動する手段の具体化ではなくではなく
まぎれもなく、エネルギーの変換方法に興味を抱いていた人たちである。

歴史的に次の段階は、
応用に関わる人たちが必ずしも原理を理解しなくても人工物を制作可能であるという段階に移行する。
たとえば、たいていのドライバーは
自動車の内燃機関の原理を理解できなくとも安全に運転可能である。
ほとんどのテクノロジーはそのような理解で伝播し支持されていると考えられる。

具体性に置き換える現在の科学者の脅迫は
原理を所有できない連中がノウハウを独占したい欲望の変形にすぎない。
なぜなら、資源とノウハウを独占したい企業や国家は、ほとんどの科学者を雇用しているのである。

原理の発見者には、現在もどんな知的所有権の保護もなされていないのは、
王様に宇宙の原理は所有できなくとも、
あるいは理解しないでも、テクノロジーの具体化のノウハウは
所有できたという超専門化の歴史的背景なしでは説明できないだろう。

たとえば、アインシュタインのような超一流の科学者は
広島に原爆が投下される2年前まで
核兵器の現実的なテクノロジーの実現は100年先以上だと想定していたのである。
これは、原理の探求者の限界と言われてきた。

しかし、私は、この場合に定義されるテクノロジーは
人類だけしか生み出せないという前提がふくまれていることに注目したい。
この前提から、<宇宙はテクノロジーである>という
バックミンスター・フラーのメタフィジクスは、みごとに絶縁されているのである。

私が現在翻訳監修を進めているバックミンスター・フラーの遺作となった『コズモグラフィ』は、
シナジェティクス原論であり、膨大なシナジェティクスをこれから学ぶ人たちへの入門書であるが、
<宇宙はテクノロジーである>と考えた科学者の系譜を、フラーが自ら編集した壮大な宇宙論でもある。

犬のしっぽブログ ーリアリティー
http://www.e-shokuju.org/hibagun/

叡智と危機

シナジェティクスは叡智と知識の宝庫だ。
直観を信頼する世界の若者がクロノファイルに持ち込み、
アカデミックな学者は、その叡智をまったく無視して持ち出さないから。

この豊かで過剰な偏向が続く限り、
人類の超専門分化がまねく人類の破滅の危機は迫るばかりだ。

簡単と単純

シナジェティクスの学習は難解ではない。
シナジェティクスの概念は単純である。
なぜなら、自然は高度な単純性に満ちているからだ。

しかし、その学習は簡単ではないにちがいない。
われわれの言語に少なくない重要な誤りが発見されているからだ。
そしてそのことが原因で、モデル言語が直観的に形成しにくくなっている。
学校の編集された情報だけで学習する場合には、
この話の信憑性は期待できないかもしれないが、
その抑圧された幾何学は、
バビロニア文明以後の推定2500年間を越えているだろう。

デフォルト知性

知らないことがデフォルト知性を発動させることができるが、
たいていの教育システムは、
こどもから教えられる関係を失って、
こどもに教えようとしている。
だから、現存するどの教育システムも
シナジェティクスのモデル言語をハッキングできないでいる。

世界のあらゆる言語はこどもが作りだしたかもしれない。

inmodelation

人々は科学に驚きを求める。
しかし、真の神秘主義者はシナジェティクスに驚きを求めるのではなく、
宇宙が神秘を生み出す源に直観的に接近する。
しばしば、 驚異的なinmodelationの電磁的スパークに視覚を失うほどだ。
宇宙の法則および秩序の原理の探求はすべて
宗教的なエネルギーに支えられている。

http://www.e-shokuju.org/hibagun/archives/2007/01/informinmodel.html

シナジェティクス入門講座

シナジェティクスを理解するには学校(建物と土地)は不要だ。
シナジェティクスはすばらしい自己教育の宇宙だと思う。
われわれは生まれながらに、会社がなくても仕事ができるように、学校がなくても学習はできるテクノロジーを所有している。
しかも、現在のわれわれは、必要なすべての既製品のハードウェアのパーツと、バックミンスター・フラーが自ら書き下ろしたシナジェティクス入門書『コズモグラフィ』を手にしている。
唯一欠けているのは、売買も所有もできない統合するためのノウホワイだけだ。
包括的な学習過程には個性の美しさがある。
そう感じられるとき、すべての人はクリエイティブな才能に溢れている。

今春から2007年度のシナジェティクス入門講座を開始することになった。
スカイプまたは isightを使用するインターネット双方向映像による日本で最初の包括的なシナジェティクスおよびデザインサイエンス講座である。この4月には白揚社から『コズモグラフィ』の翻訳がら出版される予定である。
この6ヶ月で12回連続のこの講座ではこの『コズモグラフィ』をテキストにする。