構造とは、自律的であることである。
船舶や航空機は構造である。
そして、真の構造とは浮かぶ機能を備えている。
しかし、テンセグリティ以外のこれまでの構造は、
大地に基礎部を固定させ、自重や応力を逃がしてきた。
大気圏内でテンセグリティ以外の構造は浮遊できないだろう。
自重や応力は逃がすのではなく、
分散することで、より構造を強化する機能は
シナジー的に形成される。
テンセグリティへの構造化は、論理的に予測不可能な性能が
かろうじてデザインされる希有な人工物である。
構造とは、自律的であることである。
船舶や航空機は構造である。
そして、真の構造とは浮かぶ機能を備えている。
しかし、テンセグリティ以外のこれまでの構造は、
大地に基礎部を固定させ、自重や応力を逃がしてきた。
大気圏内でテンセグリティ以外の構造は浮遊できないだろう。
自重や応力は逃がすのではなく、
分散することで、より構造を強化する機能は
シナジー的に形成される。
テンセグリティへの構造化は、論理的に予測不可能な性能が
かろうじてデザインされる希有な人工物である。
ジオデシックドームは、三角形だけでは構成されていない。
半球状のジオデシックは、半球の切断面は、多角形である。
ゆえに、赤道付近は不安定である。
半球状のジオデシック・テンセグリティは、
いつまでも未完成な半球状のジオデシックと違って、
閉じていなくとも安定している唯一の構造である。
張力による三角形化は全方向で機能している。
インフルエンザは、大気圏を浮遊して移動するための
最適なシェルターの形態を選ぶ場合、
正20面体の5回回転対称性に注目したが、
われわれは、とりわけ住居に関して、
その回転対称性は不合理で不経済だと考えているのはなぜだろうか。
「丸い家は効率が悪い」と思わされているのは
これまで全人類のほとんどが、
沿岸部の都市に密集して定住してきたからかもしれない。
国家にとって、密集して住めば税収奪はもっとも効果的になる。
生物であるなら、
5回回転対称性の自己複製のテクノロジーによって、
球状惑星を移動することで種族を保存する戦略に無関心ではいられない。
バイオスフィアは環境自体を内部化した。
半径6300キロの惑星に対して、
わずか10キロメートルの厚みの同心球状の大気圏によって。
細胞では細胞内部に張力が包含されているが、
テンセグリティシェルターでは、つねに張力は外部に現れる。
テンセグリティシェルターは、内部を完全に空洞化するために、
内部を外部化した環境を形成するために、
反転(Inside-out)した構造をもっている。
人間の筋肉という張力もまた、
蟹のように内部化された張力をもった甲殻類とは異なっている。
骨という圧縮材は内部化されている。
肺呼吸のための大きな空洞が必要だったからである。
テンセグリティは最初から、垂直な無柱の空洞構造として、
ジオデシック理論よりも前に発見されている。
この事実はもっとも誤解されている原理の発見の順序である。
ジオデシック構造は、テンセグリティ構造の特殊解である。
ジオデシック構造では、圧縮力と張力の機能はまだ分離されていない。
安全性と軽量化は、この機能の分離から生まれる。
もっとも創造的な木工技術は、一本の樹木自体に備わっている。
無数の葉を受光させるために枝を水平に伸ばすには、
大枝の幹の部分には数トンの圧縮力と張力がかかる。
そして、葉脈まで水分を循環補給させるための導管は、
水で満たされた圧縮機能と同時に、
木質素からなる側壁の曲げに対する張力機能を形成している。
水と導管は強度の向上をコントロールする主要構造要素である。
多くの人々は材木を利用した構造物に住んでいるが、
強度と柔軟性が調和しないので、
大地震でほとんど倒壊してしまう。
自然の木工技術を模倣できていないのである。
成長しながらも維持される樹の強度と柔軟性を、
物事にも適応させることは、
圧縮力と張力の分離と統合に関する
一般化されたテンセグリティ技術である。
ブナの葉は、一日1トン以上の水分を蒸発させる。
物質を互いに結びつける力は、不可視である。
重力は、本質的に不可視である。
宇宙の統合性は、つねに不可視にデザインされている。
しかし、統合性のふるまいに関しては
理解可能であり、
計量可能で、永遠に信頼できる。
テンセグリティは、最初の可視化された圧縮と張力の統合性を示している
テンセグリティモデルが、単なる概念モデルではない所以である。
これはもっとも神秘な現象の一つといえるだろう。
自然はなぜ張力を全方位に張り巡らしているのか。
人間が張力構造を再現する場合、純粋な原理を解釈しようとする
最も純粋な最初の意志にかかっている。
そして、テンセグリティは、本質的に冗長度(=リダンダンシー)のない
集合として発見された。
原子間引力や重力は、つねに不可視である。
それゆえに、テンセグリティ・モデルによる全方位的な張力の可視化は、
20世紀のもっとも純粋で抽象的な概念化だった。
テンセグリティ・モデルそのもの形態が、
自然界でまだ発見されていない理由は、
実際の原子核の陽子が、科学図版などでたびたび引用されるような
赤い球体の陽子ではない理由と同じではない。
なぜなら、
テンセグリティ・モデルは、人間の要求する空間構造にまで拡張できるからだ。
テンセグリティ(tensegrity)という言葉は、
張力による統合(tensional integrity)短縮形である。
なぜ、バックミンスター・フラーは、そう名付けたのだろうか。
圧縮材は、より長くなると撓んできて、ついに挫屈する傾向がある。
張力材は、より長くなっても、張力の限界値は同じである。
テンセグリティでは、圧縮材は撓まない長さの局所的な島々として配置され、
構造全体の統合性は、張力が包含する閉じた有限のネットワークで保証される。
テンセグリティ構造の形態は、不連続で局所的な圧縮材の振る舞いではなく、
閉じた有限のシステムを包括する連続的な張力の振る舞いで決定される。
圧縮力による統合(Compressional integrity)は、存在しない概念である。
しかし、ほとんどの建造物は、圧縮材のみでより固体的にデザインされてきた。
なんという物質とエネルギーの無駄づかいだろう。
重ければ重いほど、安定するという世界観が
重ければ重いほど儲かるというビジネスを批判できなくなったにちがいない。
まぎれもなく、
建築ビジネスの圧縮材への偏向は、二酸化炭素の増加をより加速してきたのである。
「エコ&アート」 展に直径120センチのテンセグリティ・モデル
の最新作を展示している。
これほど精密で、ハイテンションなテンセグリティ・モデルを
製作したことはなかった。
私はこのテンセグリティ・ジョイントのデザインに、10年以上を要した。
テンセグリティには、つねに最新のハイテク素材からなるテンション材とその結合方法が要求される。
<2つの作用が、同時に同じ点を通過することはない。>
このテンセグリティモデルのジョイントデザインから理解できる。
場所;群馬県立館林美術館
http://www.gmat.gsn.ed.jp/ex/ex6.html
内部がなければ、外部は存在しない。
内部と外部がない<点>は存在しない。
概念的な宇宙の出来事には、内部と外部がある。
これは、基本的な自己組織化の原理である。
テンセグリティは、
多面体の頂点や面、線が自己組織される過程で、
張力で統合された多頂点体に変換されたのである。
そして、頂点や面、線を、
さらに、内部と外部を、
多面体のように認識できないのである。