物質を互いに結びつける力は、不可視である。
重力は、本質的に不可視である。
宇宙の統合性は、つねに不可視にデザインされている。
しかし、統合性のふるまいに関しては
理解可能であり、
計量可能で、永遠に信頼できる。
テンセグリティは、最初の可視化された圧縮と張力の統合性を示している
テンセグリティモデルが、単なる概念モデルではない所以である。
これはもっとも神秘な現象の一つといえるだろう。
物質を互いに結びつける力は、不可視である。
重力は、本質的に不可視である。
宇宙の統合性は、つねに不可視にデザインされている。
しかし、統合性のふるまいに関しては
理解可能であり、
計量可能で、永遠に信頼できる。
テンセグリティは、最初の可視化された圧縮と張力の統合性を示している
テンセグリティモデルが、単なる概念モデルではない所以である。
これはもっとも神秘な現象の一つといえるだろう。
自然はなぜ張力を全方位に張り巡らしているのか。
人間が張力構造を再現する場合、純粋な原理を解釈しようとする
最も純粋な最初の意志にかかっている。
そして、テンセグリティは、本質的に冗長度(=リダンダンシー)のない
集合として発見された。
原子間引力や重力は、つねに不可視である。
それゆえに、テンセグリティ・モデルによる全方位的な張力の可視化は、
20世紀のもっとも純粋で抽象的な概念化だった。
テンセグリティ・モデルそのもの形態が、
自然界でまだ発見されていない理由は、
実際の原子核の陽子が、科学図版などでたびたび引用されるような
赤い球体の陽子ではない理由と同じではない。
なぜなら、
テンセグリティ・モデルは、人間の要求する空間構造にまで拡張できるからだ。
この秋に経済危機の実態が具体化する前に
『クリティカル・パス―宇宙船地球号のデザインサイエンス革命 」
(バックミンスター・フラー著 梶川泰司訳、白揚社 2007)
から今回の危機をどう捉えるかに関連した、
30年前のバックミンスター・フラーの思考を敷衍して再び予測してみたい。
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私の著書『宇宙船「地球号」操縦マニュアル』
(EP ダットン、1963年)を読めば、富という現実を
私がどう位置づけているかが理解してもらえるだろう。
富は、(物質や放射という)フィジカルなエネルギーが、
メタフィジカルな目的認識と技術認識(ノウハウ)に結びついてできる。
科学者たちは、宇宙のどんなフィジカルなエネルギーも失われることはないことを
明らかにした。
つまり、宇宙全体として見れば、富を物理的に
構成しているものは減らないのである。
われわれは、目的意識(ノウワット)と技術的知識(ノウハウ)
というメタフィジカルな富を使うごとに、
さらに多くを学ぶことを経験から知っている。
経験は増す一方である。
ゆえに、富を構成するメタフィジカルな部分は増加する一方であり、
したがって統合された富全体もやはり増加の一途をたどることになる。
包括的に情報を与えられるワールドゲームの観点からすると、
お金を使って金儲けをするお金というのは本来、
富の交換手段でしかない方法を学んだ人たちは、
お金から本当の富と同じ不変の働きを完全に切断してしまったことになる。
金に金を生ませる連中と彼らのための経済学者たちは、
この地球は人間の生活を支えていくには根本的に不十分であるという
政治宗教界全体の仮説を、彼らのマネーゲームに利用しているのである。
こうしてお金で利益をあげるのは間違っている。
なぜなら、
(A)新しい合金の単位あたり(1ポンドあたり)の強度はたえず増加し続けており、
(B)飛行機のエンジンの単位あたり(1立方インチ及び1ポンドあたり)
の馬力はたえず上昇し、さらに
(C)新しい化学やエレクトロニクスの1立方インチ及び1ポンドあたりの
機能がたえず上昇し続けているので、われわれにはすでに全般にわたって
かつて誰も経験したことも夢に見たこともなかったような高い生活水準を
つくりだし維持していく能力があり、
しかも10年以内に完全にその能力が実現されるからである。
これは意見でも希望でもなく、技術的に証明可能な事実である。
すでに証明されているテクノロジーと、すでに採掘され精錬され
再循環している物質的な資源だけで実現することができるのである。
それは、すべての人間とそれにつづくすべての世代にとって、
本質的に持続可能な物質的成功をもたらすだろう。
10年以内に達成できるというだけでなく、すべての化石燃料や原子力エネルギー
の使用の段階的かつ恒久的廃止をもたらす。
われわれの技術的戦略からすれば、太陽の放射と重力が日々もたらす
エネルギー収入だけで、すべての人が贅沢に暮らせることに議論の余地はない。
放射として毎分地球に到達する宇宙エネルギーの富の物理的な量は、
すべての人類が1年間に使うエネルギーの総量よりもはるかに多いのである。
ワールドゲームは、真の富で計算すると40億人
(訳注1980年現在の世界人口で)の億万長者が地球上に存在することを
極めて明確に示している。
こうした事実は、勝手にでっちあげた諸権利で操作されているマネーゲームと、
その独占的な信用システムの会計学によって覆い隠され、
一般の人々には知られていない。
富とは、汎宇宙的に作用して天体から放射されてくる一定の自然エネルギーの収入だけを、次のように使う人間の組織化された能力と技術的知識(ノウハウ)にほかならない。
すなわち、かくも多くの人間がこれから迎える長い日々の生活に、
(1)保護、(2)快適さ、(3)滋養をもたらし、
(4)人間にまだ利用されていない知的・審美的能力の蓄えを
さらに発展させる環境を整備し(5)一方ではたえず束縛を取り除き、
(6)また一方では情報を増やしてくれる経験の幅と深さを増大させる
ことによって予想したとおりに対処していく能力とノウハウ、
それこそが富なのである。
全人類の成功は、技術的要求にかなった地球規模の包括的デザイン革命
によってのみ成し遂げられる。
この革命は、そのエネルギー利用効率を誘因として人類が
自発的に人工物を選定すること、社会的経済的に望ましくないものの見方、
習慣、慣例などを惜しみなく放棄し、永遠にそれらを陳腐化させるような人工物を
開発することでなければならない。
『クリティカル・パス』 第6章 ワールドゲーム から引用
テンセグリティ(tensegrity)という言葉は、
張力による統合(tensional integrity)短縮形である。
なぜ、バックミンスター・フラーは、そう名付けたのだろうか。
圧縮材は、より長くなると撓んできて、ついに挫屈する傾向がある。
張力材は、より長くなっても、張力の限界値は同じである。
テンセグリティでは、圧縮材は撓まない長さの局所的な島々として配置され、
構造全体の統合性は、張力が包含する閉じた有限のネットワークで保証される。
テンセグリティ構造の形態は、不連続で局所的な圧縮材の振る舞いではなく、
閉じた有限のシステムを包括する連続的な張力の振る舞いで決定される。
圧縮力による統合(Compressional integrity)は、存在しない概念である。
しかし、ほとんどの建造物は、圧縮材のみでより固体的にデザインされてきた。
なんという物質とエネルギーの無駄づかいだろう。
重ければ重いほど、安定するという世界観が
重ければ重いほど儲かるというビジネスを批判できなくなったにちがいない。
まぎれもなく、
建築ビジネスの圧縮材への偏向は、二酸化炭素の増加をより加速してきたのである。
日食のダイヤモン・ドリングは、
月の影から太陽の光が一か所だけから漏れ出て輝く現象である。
そのリング以外は、
気象衛星から見れば、
日食時に地球の球形スクリーンに投影された完全な月の影である。
黒い太陽は、2つの異なった影をもつ。
ダイヤモンド・リング付きの黒い太陽は、月の表面の暗部で、
地球に投影される月の影は、月の裏面の影である。
観察者は日食の表と裏を
同時に観察できない。
日食を形成するためには、
たとえば、太陽系では太陽を含めて
相互に異なった3つの軌道が必要だ。
そして、観察者がどの軌道に属するかで日食の周期が決まる。
月面では地食が見られるだろう。
渦巻銀河はディスクと呼ばれる円盤からなり、
その中心の周囲を無数の恒星がプリセッショナルに回転している。
137億光年の半径を持つこの宇宙には、
1000億個以上のこうした銀河が含まれるので、
宇宙では銀河食はむしろ日常的に見えるはずだ。
ただし、それを観測するためには、
観察者が銀河食の焦点まで移動しなくてはならない。
生きている間にもう見れないという
センチメンタルな広告よりも、
銀河食は客観的ビジョンにちがいない。
自分を外から見る最大の想像的行為は、
シナジェティクスの包括的な操作主義の産物である。
Fig. 1130.24 Reality is Spiro-orbital: All terrestrial critical path developments inherently orbit the Sun. No path can be linear. All paths are precessionally modulated by remotely operative forces producing spiralinear paths.
「エコ&アート」 展に直径120センチのテンセグリティ・モデル
の最新作を展示している。
これほど精密で、ハイテンションなテンセグリティ・モデルを
製作したことはなかった。
私はこのテンセグリティ・ジョイントのデザインに、10年以上を要した。
テンセグリティには、つねに最新のハイテク素材からなるテンション材とその結合方法が要求される。
<2つの作用が、同時に同じ点を通過することはない。>
このテンセグリティモデルのジョイントデザインから理解できる。
場所;群馬県立館林美術館
http://www.gmat.gsn.ed.jp/ex/ex6.html
磁界の中を移動するだけで、
コイルに電流が流れるように、
地球上の生命の偉大なエコロジカルな再生力を
枯渇させ不快にさせない
唯一の電磁誘導的に形成される思考回路。
この場合、磁界自体を移動させるか、コイル自体を移動させるかの選択がある。
この非論理的な回路に接近できるもっとも効果的な方法の一つは、
シナジェティクスのモデル言語を習得することである。
なぜなら、シナジーはエコロジーさえも統合しているからである。
内部がなければ、外部は存在しない。
内部と外部がない<点>は存在しない。
概念的な宇宙の出来事には、内部と外部がある。
これは、基本的な自己組織化の原理である。
テンセグリティは、
多面体の頂点や面、線が自己組織される過程で、
張力で統合された多頂点体に変換されたのである。
そして、頂点や面、線を、
さらに、内部と外部を、
多面体のように認識できないのである。
「同一点を通る2つの線は存在しない」ことは、
テンセグリティモデルを製作すれば、物理的に証明できるだろう。
テンセグリティを構成するどの圧縮材の端部は、
少なくとも3本以上の張力材が交差している。
各端部において、3本以上の張力材を一つの始点から同時に引っ張ることは不可能だ。
端を発するには3つの始点(ノット)が必要だ。
ノットには、大きさがある。
これを技術的にどのように変換できるかが、
テンセグリティジョイントのエンジニアリングだ。
またジオデシックドームのジョイントも球面上にある仮想的な各頂点を
どのように変換できるかでは同じである。
実際、重くて高価なボールジョイントから構成されないジオデシックドームでは、
三角形を構成するいくつかのフレームの中心線は、
結合のために、オリジナルの数学的な原線から移動している事実に注目できる。
シナジェティクスのエンジニアリングは、
定理と物質の操作主義から生まれる。